自分の根源にある言葉――映画「ドライブ・マイ・カー」再論
映画「ドライブ・マイ・カー」がアカデミー賞に輝いたことはうれしい。ただ、先日も書いたように、わたしは映画に違和感を持っている。3時間に及ぶ大作を見て、原作の村上春樹の短編集の主題「内面と真摯に向き合う […]
老桜
大阪北区のビル街の小さな公園に桜の花が美しく咲いていた。これからの再起に向けて、税理士の教え子と話してきた帰りだった。近づいてみると、樹齢を重ねた桜が数本あるだけだった。それなのに、公園全体がピンクの […]
「リスク・コミュニケーション」
危機に強い社会になるには、「インテリジェンス」(情報分析)、「ロジスティックス」(体制の確保)、「セキュリティー」(被害拡散防止)、そして、「リスクコミュニケーション」(話し合い)の四つが必要だと、日 […]
複利計算とアイパッド
4月からの分掌担当を決める会議があり、学校へ行ったら、いきなりアイパッドを渡され、これからはこれで授業についても、諸連絡についてもやるのだという。初心者のための講習も用意しているとのこと。「職員最高齢 […]
コバノミツバツツジ
陽春の仁川源流行を楽しむ。鴬が初音をし、山にコバノミツバツツジが咲き出していた。その染みるような紫が胸に響き、昨夜来の不信の念を諫めてくれる。こちらが必死になって、心の内を明かし、他者の思いとすり合わ […]
“侵略の津波を止めて”
ゼレンスキーさんの演説には、比喩表現が光っていた。演説は、特にうまい比喩や言い回しが聴衆の心に響くものである。ただ、文章となると、隠喩は要注意だ。昨日の文章教室で痛感した。執筆者自身は、うまく言えたと […]
「矢先」
何か始めようとする、ちょうどそのとき。「帰りかけた矢先に声を掛けられた。」つまり、直前の意味で使うのが普通だが、この頃は、「出かけた矢先に、用事を思い出した。」と、直後の意味で使う人が多くなり、受け止 […]
一歩踏み出して
今朝、相談に訪ねていった弁護士が、弁護士として取り組める範囲をきちんと話し、自分はその手伝いをするだけ、と冷静に言うので、着手依頼をして帰ってきた。わたしも、教師としての扱える範囲を明確にし、生徒の成 […]
音読の意義
話題の映画『ドライブ・マイ・カー』を見てきた。村上春樹の原作の方を読んで安心していたら、知人たちは映画が先だった。短編をいくつか組み合わせ、みごとなドラマに仕上げていて、さすがだと思ったが、北海道や広 […]
鐘を鳴らす
今日はどうしても、その鐘を鳴らしたかった。生駒山系の縦走路の「鐘のなる丘」の鐘を! 高校山岳部、今年度最後の山行に付き添って、生駒から高安山まで歩いてきた。その十三峠の手前に、その鐘はあるのだ。雲が多 […]
生きる糧としての「国語の学び」
コロナに感染し、半月ぶりに来た双子の姉妹が、「いつも国語塾に来たかったのです!」「今やここはわたしたちの生活のよりどころ、楽しいときなのです。」と言ってくれたので、もう塾を止めようかと思い、結ぼれてい […]
“贈る言葉”
「言葉を贈る」というのも、考えてみれば変なことだ。もともと自分の専有物でもない言葉を、人に、ちょっと偉そうにプレゼントするなんて。神経質な人からすれば、そんなものもらっても、煩わしいだけで、鬱陶しいこ […]
詩:などかくは美しき
昨深夜の福島の大地震に驚きました。被災された方や地域のことを思うと心が暗くなります。また、新幹線の復旧に時間がかかりそうなことが気になります。(東北道は復旧したと先ほど知りましたが)交流が分断されるこ […]
獣的な力を感じながら
昨日、3回目のワクチンをうった。体調は別に異常なし。腕も痛まない。それより三日連続の春の陽気が心地よく、人為的な困惑など、どうでもいいように思えてしまう。懸命に相談に乗ってくれ、サポートしてくれている […]
”正気の言葉”
大震災、パンデミック、戦争……、この困難な時代、「言葉の学び」なんて何の役にも立たない。そんなことより、ともかく物質的なものが欲しい、お金が欲しい、性的満足が欲しい、――実は、わたし自身がついついそっ […]
春の陽気の中で
高校山岳部の三年生の「追い出しコンパ」ならぬ山荘昼食会があり、コロナ禍のせいで卒業生3人だけの集いだったが、顧問の先生と参加してきた。一人は、国立大学和歌山で、機械のことを取り組むのだという。後2人は […]
エクスプロラー
さっきも小さな地震があった。故郷を失った人々の「やりきれなさ」が伝わってくる。原発事故にせよ、戦争にせよ、人為によるものは、なんとかできるはずだ。東北大震災だって、ほとんど人為的災害の面があるとも聞く […]
“現在バイアス”
やっとわかってきても、もう手遅れかもしれない。前にも触れた、『ライフシフト』という本の「第7章:新しいお金の考え方」を読んでいて、わたしが金銭感覚、経済思考にいかに弱いかを痛感させられた。「象」(巨大 […]
詩:さびしさ
さびしさ 3月の春の夕方の光が、わがさびしさによく似合う 当てにしていた案件が、まるではずれてしまったときのさびしさ 当てにしていた人の言葉が、意外に冷ややかだったときのさびしさ 当てに […]
黄砂ありて
出がけにポストを見ると、昨日の雨でかなり汚れていた。それでもう一遍家に入り雑巾で葺いたところ、黄色い砂が一杯ついてきた。黄砂だと思って、中国からウクライナまでの憂鬱がぶり替える。折角、昨夜の二つの講座 […]
手紙が来て
もう45年くらい会っていない女性から長い手紙が来た。 わけあって整理していると、返事を出さなかったあなたの手紙が2通出てきたので/ 私の辞書には「努力」はない/小2のとき、毎日 […]
大いなる存在の声
たしかにわたしは聴いたのだ! パイプオルガンの圧巻的音響の中から、今までに聞いたこともなかった巨人たちの話し声が――でも、確かに「声」だった、もちろん言っている意味は分からないが、「叫び」ではなかった […]
絶望的な状況でも
連日悲惨なウクライナ情勢の報道に接し、心が折れそうになってしまう。もう破滅しdあかないのかと。こんな時でも、六本木フィルズ族や投資家たちは「我関せず」と、豪遊を続け、頭は、金融のことしか考えていないの […]
ある返信
コンサートに誘った若い人からこんなメールが届いた。 いだきしんさんのコンサートのお誘いありがとうございます。YouTubeでアップされた動画を拝見しましたが、とても興味深いスタイルだと感じました。3月 […]
“認知機能”
昨秋、ちょっと交通違反したために「認知機能検査」なるものを受けさせられた。84点で合格したものの、あんまりうれしくない。絵で示した16個の単語を覚えて、しばらくしてから書き出せ、と過去にも何度かやった […]