「君子は憂えず」
「先生はどうして禿げたのですか。」「養毛剤は使わなかったのですか。」 高校生が真面目な顔をして、そう聞いてくるので、かえって落ち込んでしまった。遺伝とか、年齢とか、自分ではいかんともしがたい“外因”の […]
「記号接地」問題
AIは、言葉と感覚とがつながっていない言語を話す。 アメリカの認知科学者のスティーブン・ハルナッドは、記号の意味を記号のみによって記述しつくすことは不可能と指摘し、基本的な一群の言葉はどこかで感覚と接 […]
雨の七夕
一滴の雨でも、牽牛星は織姫に会えないのだ、と子どものころ聞かされて以来、「七夕伝説」が嫌いになった。そんな無茶な、無理難題。しかも、旧暦7月7日のだから、新暦の今日に無理に当てはまることにも嫌気がさし […]
山中に忘失したボールペンを見つけ出す!
昨日、山歩きしていて落としたボールペンのことが気になって仕方なく、ボールペンにも呼ばれているような気がして、学校(期末考査中で午前中まで)から帰って、午後3時から再び山へ。芦屋の奥池のゴロゴロ岳(56 […]
「動詞の活用」を教える
何も文法を知らなくても、日常生活に支障はない。学校教育の必要は分かるとしても、こればかりは、全く下らぬ勉強になるのではないか。「動詞の活用」なんて、分かって、何の役に立つというのか。中学の時の”悪夢” […]
「身捨つるほどの祖国ありや」
今住んでいるマンションの掃除日。19所帯のうち、8人しか参加しなかったが、廊下や階段の洗浄や掃除に汗を流した。そして、管理組合の会議もあり、地域自治会の要望について話し合った。なにか地域社会で共生して […]
「教え方がメチャ上手」
昼休み、学校の自動販売機でアイスを買っていたら、やってきた生徒たちに声を掛けられた。 「先生、いつからおるん?」わたしの知らない生徒たちだ。 「今年からだよ。」 「ふうん、何を教えているの?」 「国語 […]
「上智と下愚は移らず」
京都への車中、沢木耕太郎著『作家との遭遇』を読んでいて、山本周五郎に出会い、この論語の言葉を知って、ふっと心が軽くなる。精神的にも経済的にも追い詰められ、不遇と孤独に悩まされていた若き日の周五郎の日記 […]
”イダキ語”
「ピアノが語り掛ける」というような音楽評論を聞いたことがあるが、16日の京都、東山のイダキシン・コンサートは、まさにそれを体験した。 即興で演奏されるピアノの音は、まさに優しく体内に染み込み、わたしの […]
言葉と意識
言葉と意識 オグデンとリチャーズの「意味の三角形」が、「言葉の本質的機能を説明する際の重要かつ根本的な誤りがある。」と教科書の指導書にあったので、ショックを受ける。まるで天動説から地動説 […]
詩:「金剛山山頂」スポット
「金剛山山頂」スポット 「金剛山頂ライブカメラ」スポットというのがあって そこへ是非行ってみたい、と高二のFくんが言うので 午後の自由時間に、もう一人Iくんも誘って案内する キャンプ場か […]
熱意
昨日、Sk高校で、高一生に「古典文法」の第一歩、「動詞の活用」を教える。5クラスに。ただでさえ、勉強したくない連中に、「何の役にも立たない文法」を説く大変さ。活用表のプリントを配布しても、何を書いてい […]
「憂い」よ、去れ!
憂い:わたしの声は、たとえ耳は受け付けなくとも、胸にはしっかり答えましょう。 わたしはさまざまに姿を変えて、恐ろしい力をふるいます。陸の旅でも、船路でも、 いつも不安を吹き込む道連れです。 ファウスト […]
圧倒的な美の体験!
びわ湖ホールの「高句麗伝説」に行けて良かった。「なんとか行けた!」というのが正直なところだが、その「圧倒的な美」のシーンがすべての憂さを忘れさせ、心も頭も体までも綺麗にしてくれた。日常生活の汚れ、抜け […]
感情過多
会話は、「感情のバターを載せたトースト」のように、とある人がむかし言い、わたしもそれを心がけている。無味乾燥な用件や情報の交換だけでなく、少し思いやりや気持ちを込めて、情感のある話し合いがいいと思うか […]
「思考停止」は避けたい
もう20年前に発表された、劉慈欣の空想科学小説『詩雲』のテーマが面白い。「神と呼ばれる種族が、超テクノロジーを使って詩を書くのですが、結局、李白が残した詩にはおよばない。」と作者自身が語っている(文庫 […]
憲法改定を!
未だに釈然としないのが、スーダンへの自衛隊派遣だ。戦争が激化した街からの邦人救済のため、速やかな行動をとり、ともあれ無事帰国を成し遂げたことには賛意を表すばかりだが、なぜ民間の力でなく、自衛隊が派遣さ […]
「日本語の問題点」
「日本語の問題点」 雨が降ってきた。( ※ )わたしは外に出かけた。 ※印に入る接続詞は、簡単に分かるだろうか。ふつうは、逆接の「しかし」や「けれど」が入ると考えるだろう。 […]
詩:友を求めて
友を求めて 昔からわりとだれとでも友だちになれた しかし、真の友はいなかった 今もだれとでも親しく付き合うことはできる しかし、真の友には出会えない ずっと「親友」を求めて、しかし、それ […]
「あとどのくらい」
「私も年を取って、あとどのくらい生きられるか、分かりませんが……。」という文面の手紙をよく受け取る。その度に複雑な気持ちになる。そもそもこの「私も年を取って」は、「夜も更けてきました。この辺でお開きに […]
“春もたけなわ”
すっかり葉桜になり、榎や楠の新緑が美しい。そして、藤の花の紫が輝いている。まさに「春もたけなわ」である。「いかがお過ごしですか」という手紙を書きたくなる季節だ。ところで、「春はたけなわ」というと、少し […]
「坊守夫人」
行けば必ず夕食を振る舞ってくれる。必ずお土産もくれる。先日は、誕生日祝いだとか、祝い金と採れたてのイチゴとケーキ、赤飯まで下さる。さらには、通信用に切手までたくさんもらってしまう。――恐縮と感謝と歓喜 […]
言葉の病
「もう一人暮らしは寂しくてたえられないかも……」 一浪して、やっと京都の大学に行くことが決まったAが会いに来て、開口一番そう言ったので、もう呆れてしまう。まだ、下宿暮らしはやっていないのだ。そして、「 […]
詩:TO BE IS TO DO
TO BE IS TO DO 河口の、かなり川幅が広くなってしまったところを 飛び石づたいに渡って 満ち潮が岩を洗って、苔も滑りやすく、かなりリスキーな、挑戦でもあった だが、どうしても向こうまで […]