「坊守夫人」
行けば必ず夕食を振る舞ってくれる。必ずお土産もくれる。先日は、誕生日祝いだとか、祝い金と採れたてのイチゴとケーキ、赤飯まで下さる。さらには、通信用に切手までたくさんもらってしまう。――恐縮と感謝と歓喜 […]
言葉の病
「もう一人暮らしは寂しくてたえられないかも……」 一浪して、やっと京都の大学に行くことが決まったAが会いに来て、開口一番そう言ったので、もう呆れてしまう。まだ、下宿暮らしはやっていないのだ。そして、「 […]
詩:TO BE IS TO DO
TO BE IS TO DO 河口の、かなり川幅が広くなってしまったところを 飛び石づたいに渡って 満ち潮が岩を洗って、苔も滑りやすく、かなりリスキーな、挑戦でもあった だが、どうしても向こうまで […]
一日に何度ものチャンス!
昨日、S夫人のサロンで、高麗恵子講演会のDVDを見て、 大いなる存在と一つで生きていれば、一日に何度もチャンスはある! という言葉にすっかり気が良くなってしまった。でも、その条件節が、「被って生きてい […]
対象を必要としない愛
昨日の生駒山縦走もそうだったが、一昨日のコンサートは、もう気持ちがよくて、まさに安心立命、「ここにいる」ことを身体も頭も心も満喫していて、言葉を必要としなかった。ただ、メッセージの中の、「本性の愛は対 […]
『ファウスト』読了
「人間は努力する限り迷うのだ」(317)から始まって、「どんな人にせよ、絶えず努力して励むものを、わたしたちは救うことができます。」(11937)まで、全編人間存在の虚無でないことを教示しているように […]
「魂」の世話
まあ、そんなに卑屈になることもあるまい。 さりとて無知蒙昧を宣言して、享楽に走ることもあるまい。 多くの人と出会い、新しい関係を創り、わが魂を優れたものになるように気を遣いたい。 おかげで、賢人の言葉 […]
春を感じる朝に(手紙)
昨日は、まだ19歳なのに、いくら言って聞かせても分からない青年に、すっかり腹を立てていました。(かれは一浪生で、この春の再挑戦が全くダメで、「何でですか⁉」とお門違いの電話を何度もしてくるのです。)そ […]
至福のとき
やっと「愛のしほり」に会えた! まさに春の光溢れる「高麗ギャラリーカフェ」にて。“柳”という名のケーキと共に飲んだ、そのコーヒーは、愁いを溶かし、しなやかに生きていることの喜びを表わす味がした! 実は […]
今夜も元気一杯!
いま、梶井基次郎の『檸檬』を高校2年生の教材にして、とても難儀している。98年前の三高生の病気と鬱屈と不安が、あまりにも現代の若者の心境とかけ離れているように思って、修辞の巧妙さもうまく説明できず…… […]
「思考停止」から抜け出す
伊坂幸太郎の『魔王』を読んだ。不条理と不安と刹那主義の世の中、そこへ忍び込む全体主義的うねりに対して、何とか個人で立ち向かおうとした兄弟の物語だが、わたしの気に入ったのは、主人公がいつも「考えろ、考え […]
「死について」雑感
88歳になる秋田県の老女から長電話あり。何でも「夢にも思っていなかった薬の副作用」で、パーキンソン病になりかかり、死の苦しみを味わい、更に腰の圧迫骨折などもあり大変だったが、ようやく小康状態になった、 […]
居心地の良いところ
昨日、芦屋のS夫人の「上映会」で、『響』の中の先生の言葉、「苦しい人に会うと、こっちが苦しくなるのです。仕方ないから、それを受け止めて音にするのです。」という部分が妙に心に残った。もう7回くらい見てい […]
山の神に頼まず
JRの駅から陽光の住宅街を山の方へ上っていくと、軽快な足音が後ろから迫ってくる。しかし、それは川向こうのテニスコートからのボールの音であった。それでフウッと心が軽くなる。体内の生きる力が解放されていく […]
詩:「立春」
「立春」 そうか、今日は節分、明日は立春なのだ 暦の上のことなのに、心に色めくものが! 言葉がみずみずしい生命感覚を導いてくれる! たしかにこのところ鬱屈と不安がひどい 当 […]
「学校school?」「はて、どういう意味でしょうか」
マルクスの『資本論』を2回読み、ずっと持ち歩いていたという、ウイリアム・モリスの『ユートピアだより』を読みかけて驚いた。主人公が紛れ込んだ新しいイギリス社会では学校がないのだ。「教育」educatio […]
寒波の中の熱気
さる25日、大雪で学校が休校になり、時間ができたので、斎藤幸平著『ゼロからの「資本論」』を読んでしまい、これは重要な知識と思って、A4用紙5枚の「読書メモ」を作成する。一日がかりだったが、知的な橋頭保 […]
「現在どの程度幸せですか」
市の高齢介護課から「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」というアンケートが來。その中の「7健康について」の2項目がこの質問。「とても不幸」が0点で、「とても幸せ」が10点。1項目の「健康状態」では、「ま […]
Rofute finding
Route finding 「道を見つけること」――これが山歩きの基本である。「道を問う」よりも、自力で道を見つけていく能力。それがまだわたしにはあった! 東六甲の南側にいくつかの支尾根が走っているが […]
「野心」を燃やそう!
サマーセット・モームの「世界十大小説」の一つ、バルザックの『ゴリオ爺さん』をやっと読んでしまう。今から210年も前のフランス・パリを舞台に繰り広げられる人間悲喜劇だが、現代の人間にも、それこそ「刺さる […]
“シングアウト”
“シングアウト” めぐる春の水光る/川のほとりのネコヤナギ 春を告げる花なのに/心をひらく人はなし 同じ土同じ草/変わりはないのか悲しいぞ 人は去り時は流れ/変わっていくのか悲しいぞ ( […]
白鷺の白い羽に
冬枯れの夙川に佇んでいる白鷺の、その純白ぶりに打たれてしまった。どうして汚れることも、みすぼらしくなることもなく、あんなに真っ白なのだろうか。その白い光が黙示禄のようにも思えて、あれは「命の光」なんだ […]
書いて、書いて、書いて!
神戸の大震災から28年目。思えば、あの頃から「ひとり」だったのだ。その前の年、母が死去し、関東大震災以来、地震のことを怖がっていた人に、恐怖を味わせることがなくてよかったと、まず思ったこ […]
夜の御所を横切って
多分、わたしにとっては、初めての二日連続「高句麗伝説」。昨日からの高揚がさらに深まり、「五女山行」が目前に迫った感覚に。久しぶりの京都府立文化芸術会館。行きは京阪出町柳から歩いたが、帰りは、一度通てみ […]
