KEIKO KOMA Webサロン

「野心」を燃やそう!


サマーセット・モームの「世界十大小説」の一つ、バルザックの『ゴリオ爺さん』をやっと読んでしまう。今から210年も前のフランス・パリを舞台に繰り広げられる人間悲喜劇だが、現代の人間にも、それこそ「刺さる」部分が多く、「野心」と「良心」のはざまで苦闘する青年(ラスティニヤック)と同じ心境になってしまう。まさに「金」に振り回され、策略と打算のために「愛」を見失っていく人々は、そのまま現代の日本社会にも生きていて、暗澹たる思いになってしまうのだ。死者の指輪を抜き取って平然としているおかみさんや、親を死に至らしめるような要求を繰り返し、自分のことしか考えない令嬢たち、儲けのためには殺人も企てる大悪党、報奨金目当てで警察に内通する男女、あまりにもリアルな筆致に気分が悪くなること度々だったが、青年の戸惑いと葛藤、そしてその友人の学生の冷静さが、それでも自分の思いや志を追求していく「強さ」を枯渇させないことが、このドラマのサブテーマとして読み取れた。濁悪乱世の中で、現実から目をそらさず、「野心」ともいう べき「志」を見失わないようにしようと思う。
読書のおかげでまた若返ってしまった。 (1/20)

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仙台高麗屋にて
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三鷹市芸術文化センター 風のホールにて
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愛のしほり 第4弾