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寒波の中の熱気


さる25日、大雪で学校が休校になり、時間ができたので、斎藤幸平著『ゼロからの「資本論」』を読んでしまい、これは重要な知識と思って、A4用紙5枚の「読書メモ」を作成する。一日がかりだったが、知的な橋頭保を築けたのでよかった。

しかし、最初、この本の前半では、無性に腹が立って仕方なかった。資本主義の影の部分、物象化とか、搾取とか、人間疎外とか、魂の包摂とか、構想と実行の分離だとか、分ればわかるほど、なぜ150年間もそのままに放っておき、コスパ思考と自己責任論で、グローバル経済を進め、格差と貧困を放置し、ついには環境破壊をもたらしてしまったのか。ケインズも新自由主義経済も、民営化も、すべてが結局は資本家の横暴にしかつながらなかったのに、さらには、福祉国家も法学幻想も、結局は民主主義から遠く、独裁主義にし、つながらないことが分っていて、なぜ有効な手立てが講じられ、未来社会への展望を示せなかったのかと、高校生みたいな義憤に駆られてしまった。(老人らしからぬことかもしれないが、一日中、学生気分で過ごした。)

後半になって、「アソシエート」と「コモンの再生」という指針を示されて、納得と希望を得たわけだが、さてやるべきことのあまりの多さと問題の複雑さに戸惑うこと度々であった。「下からの民主主義」と、「脱成長コミュニズム」理念を示され、そこまで賢い、自立した民衆を養成するにはどうしたらいいのか、目覚ましい科学の進歩、技術革新の中で、それをうまく御するにはどうしたらいいのか、など疑問ばかりが出てきて困惑するのだった。

「不可能」なんて言い出したら、何もできない! と先生はおっしゃっていたが、なるほどやってみなければわからない。そして、多くの目覚めた人と良い関係を結びながら、創意工夫し、交流を深めていけば、まだまだ捨てたものではないかも。とこれまた、学生気分の高揚の裡に居たのだった。あれから四日、まだ寒気の中だけれど、強い気持ちでいる。(1.29.)

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比叡平にて