エナメルの緑のブーツ
昨日、足の術後の定期検診に行ってきました。5ヶ月半振りにお会いしたスーパードクターは、相変わらず世界各地からの招待講演で飛び回り、日本での手術と診療で超多忙でありながら、いつもと変わらぬやわらかい笑みで私と向かい合います。私の足に触れる彼の手は、どうしてこんなにあたたかいのだろうかと胸が熱くなります。「あのね・・・」言葉を躊躇う私に「何でもいいよ、言って。」「どうしても履きたいエナメルの緑のブーツがあるの。それは新しい私への挑戦で買ったの。でも病気になってから履けなくなった。それでもあきらめきれなくて、毎年この時期に履いてみては溜息をついて箱に戻していた。だけど今朝、履いてみたらあとちょっとだったの。」彼は黙って聞きます。「まだ手術できるかな。私、どうしても履きたいの。」「あなたががんばるなら、僕もがんばるよ。」「やる。」彼がスケジュール表を見ながら伝えた日付は、12/2でした。私も手帳を見ながら、先生の京都でのコンサート翌日の朝であることに驚くと同時に、やっぱりと思いました。「麹町で初めて手術をしたんだよね。今、こうして歩けて、ここまで回復したんだよね。」私の足を包んでくれるスーパードクターのあたたかな手を見ながら、「二度と治らないって云われて、大泣きしたんだよね。」「誰に云われたの?」私は振り返り、後ろでやわらかな笑みで静かに頷くスーパー看護師さんを見ました。「でも私たちは、今までのように日常生活を送れるお手伝いの為にいるんだと聞いて、更に大泣きしたんだよ。」「すごいね。」彼女を見るスーパードクターの顔を見ながら、この2人のお陰で今の私がいると胸が熱くなりました。12/2、私は先生の音に包まれ見守られながら6回目の手術を受けます。そして、エナメルの緑のブーツを履くのです。帰り道、ピンク色の夕空に淡い白の大きな三日月がかかっていました。童話の世界に出てくるような、やさしい空と月でした。何もかもがやさしいです。今日は表参道のマルシェに初出店してきました。そこで新たに出会えた方とも、知り合いの方とも一気に距離がなくなり近しく話せたことが何より嬉しい1日です。ありがとうございます。
