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講座に行く前に


 すっかり元気になって、ロームシアターを出ると、東山に明るい大きな月が出ていた。「満月だ!」とFさんがつぶやく。夙川河畔でも南の空にも名月が見られた。いつもそうだが、コンサートの後は、再スタートの気力が充満する。
 そして、今日は二つの講座がある。“頭人間”であるわたしは、きっちり言葉で納得しないと落ち着かない。なにを? 「きょうが、一番若い」について、気概だけでなく、「可能性」を具体的に納得したい。どちらの方向に向いて歩き出したらいいのか、だれと話せばいいのか、そういうことへの気づきを得たい。――講座の中で行き交う言葉や人々のしぐさから、何かをつかみたい。
 東野圭吾の本は、『手紙』『ナミヤ雑貨店の奇跡』『クスノキの番人』など4、5冊読んで、ストーリーのうまさ、日常の中の不思議の深さに感動していた。しかし、この人のあまりにも多い著作、推理小説作家であることなどに、ちょっと軽視するところがあった。それが、昨日、イサキシン先生が、かれのスピーチを取り上げられたので、また自分の暗愚、下らぬ価値観を指摘されたようで、ああ、なんて古くてかたい頭よ!と落ち込んだのだった。だから、第二部までは、正直元気になれなかった。まさに体の中の「先に行けない意識や思考、癖を追い出して」もらって、すっかり洗浄されたのだった。
 しかし、暑い! もし熊本にいたら、わたしは確実に熱中症になって、病院に搬送されているだろう。この気候変動への対策、災害に対する心構え、そして言葉遣いへの勉強……、課題は山積されている。ともあれ、「体を置き去りにしない」。重要な月末なのだ。(7/30)

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