節目
出会いの一日
素敵な小道に愛が語られ
遠い記憶の風が
静かに吹きはじめる
眠っていた少女の感性が
やわらかに
目を覚ます
麗花の光
高句麗伝説の響き
十七年の時を越えた
詩と音楽は
古びることなく
生まれたばかりの光のように
生命の奥深くへ
届いてくる
高麗恵子さんの語り
その一音
その一言に
朱蒙様の息吹が宿る
歴史を生きた存在が
時を越え
生命の深みに
触れてくる
若光王様との出会い
京都で身近になった
好太王様
そして今
朱蒙様
一つ一つの出会いは
時代を越える流れとなり
高麗恵子さんを通して
私の人生を
根底から目覚めさせてくれる
過ぎ去った歴史は
消えたのではない
時を越え
姿を変え
今ここに現れ
私の内に息づいている
歴史は
過去を聞くために
あるのではない
生まれる言葉と音のなかで
眠っていた記憶がよみがえる
生命そのものが
新たに動きはじめる
畏怖に満ちた
静けさのなかで
私は知る
人間とは何か
生きるとは何か
頭で理解するのではなく
生命のすべてで
わかること
私は長いあいだ
過ぎ去った時間のなかに
とらわれていた
変えられないことを抱え
閉ざされた記憶の前で
立ち尽くしていた
けれど
過去を見つめることは
そこにとどまることでは
なかった
いだきの経験によって
過去を受けとめ
その重さをほどき
今を生きる力へと
変えていける
過去は
閉ざされた扉ではない
未来へ向かう力を
内に秘めた
ひとつの入口なのだ
出会いは
幸運だったと
振り返るためだけのものではない
人生を動かし
新たな現実を
生み出すもの
この一日は
記憶をたどるためだけに
与えられたのではない
遠い歴史の息吹に触れ
過去から解き放たれ
未来へ進む道を
生命で知るために
あった
だから私は
今から未来へ向かって生きる
この世に染まることなく
社会のただ中で
働き
生きる
体験を
現実を動かす力へと変え
時代の要請から生まれるものを
育て
伸ばし
この世界に
現していく
歴史を
後から振り返るのではなく
歴史が生まれる
そのただ中に
私たちはいる
出会いから生まれた動きを
現実のなかで育てながら
この節目から
私は歩みはじめる
過去を受けとめ
過去を越え
今から未来へ
遠い記憶の風を
新しい時代の風へ
変えながら
生命の光とともに
かけがえのない催しを
ありがとうございました。
花木伸江
