幸運

前回の存在論で いだきしん先生が「時間が存在を遠ざける」「ハイデガー『存在と時間』は 存在を否定していく時間を問題にしている」と仰った御声がずっと胸中にあります。先日の高麗屋サロンにて、かつて 先生と高麗さん御一行が シナイ山へ行かれた時の行程を改めて伺いました。先生は 人の中にある、この世の 学校教育や仕事で身体に刻まれてしまった時間の観念、習慣を、ことごとく打ち砕くように 殆ど寝る間もないスケジュールを決行されたのだ、と 初めてのように高麗さんのお話を拝聴していました。旅の最後に、同行した皆も アクも険も無いきれいな顔に変わっていたと伺い、存在に出会うべく行動した身は 生命の美しさが表に現れる と希望に満ちました。学校教育の時間割に始まり、週休２日、通学通勤…。いつの日からか 人の作った時間の区切りに生命を合わせ閉じ込め、存在を遠ざけるどころか 知らないように生きてきた多くの「存在者」。自分はそこに埋没したくはありません。本日のいだきしん先生・存在論 に参加叶う幸運を自覚し、東北センターに向かいます。ありがとうございます。
岩村ゆかり