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京都コンサートを終え


明るい月の光に冴え渡る星空を見上げながら、心は項垂れておりました。私からチケットをご購入下さった方々が、お越しになりませんでした。大切な一席なので、どうぞお越しくださいと心から申し上げたにも関わらず、空席となってしまった状態に人が信じられない気持ちでありました。どうしてこうも人の気持ちを踏みにじることができるのかと嘆息がもれます。しかし、自分の状態がそのままに表れることを鑑み、自分になぞらえるとどういうことかと考えると、
先生、高麗さんに対する自分の状態であるとなります。申し訳ございません。しかし、もうこの土地の人には見切りをつけている自分があり、会場を一杯にするのに土地の人でなければならないことはないと至り、今は、自分が受け継いでいる歴史に縁のあるところを考えております。
パイプオルガンで始まったコンサートは、どう表現すればいいのか、人間の汚れをこれでもかと炙り出し、猛烈な勢いで消して行くような、また、異次元の恐れ多さをこれでもかと体感させられ、逃げ場のない広大な迫力の空間に入れられた感じでした。それが、今までになく否応ないエネルギーとして伝わり、「大転換期」となったことの現実を突きつけられ、選択を迫られていると受け止めます。そして、身体の芯の太い弦が振動し底力か、お腹の、恐らく子宮辺りからグルグルと沸き上がる力が感じられ、光のエネルギーを沢山抽入されていると感じられました。また、その前の晩のビデオ講演会で、自分の中では女の歴史がやっと浄化されて行く時を迎られたと「魂震える」とはこういうことと思われるほどに感動しました。ただただ涙が溢れ、母や同じような境遇の多くの方々を想い、私に沸き上がる感動は私一人ではなく何百年の女性たちの感動と感じられました。好きでこの境遇に生まれたわけでもなく、好きでこうなったわけでもなく、本当は自分の生まれた年から50年後に生まれたかったとずっと感じておりました。その年に生まれ成長した頃は、もっと自由だと感じられたからです。多くの方も何かしら同じと考えます。降ってわいたように「浄化」があるわけではなく、それまで闘ってきて下さった方々や、ただ普通に女として暮らしてきた方々が繋げ、今のこの時が迎えられたと感じます。本当にありがたく感じます。
ありがとうございます。

田嶋利江子

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