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コバノミツバツツジ


陽春の仁川源流行を楽しむ。鴬が初音をし、山にコバノミツバツツジが咲き出していた。その染みるような紫が胸に響き、昨夜来の不信の念を諫めてくれる。こちらが必死になって、心の内を明かし、他者の思いとすり合わせたいと思っているのに、ただ悪く言われて、揶揄されているとしかとらない人の多いこと。変革と行動を求め、賢明に語るのに、まるで人ごとのようにしか聴いてくれない人、「意識高い系」(なんといやな言葉!)と揶揄されるばかりで、もううんざりしていたのだ。――いや、この花の美しさに触れたら、それでももう一歩踏み出せる。他人の無理解に傷ついてばかりいないで、もう一度話し合ってみようとも思う。ただ、この花の強い紫色は、妥協したり、自分をごまかしたりすることはしない方がいいと、言ってくれたようにも思った。

返ったら、知人からメールあり。映画『ドライブ・マイ・カー』の主題は、「傷つくべきときに、ちゃんとその傷と向き合えたか」だと解説してくれた。わたしは、原作に比べて、なんだか問題山積で、ついていけなかったと言っていたからだが、「人は巧妙に自分を欺いて、その傷から逃げる」からダメなのであって、「自分の根源にある言葉」を以って、自分の奥底に下りていく必要があるのだと。なるほどと思い、感心したが、外国語や手話との会話を通して、それが可能になる、という方法論については、まだ保留だ。むしろ、いま六甲の山に咲き始めたコバノミツバツツジの美しさに触れる方がいいようにも思った。(2022.3.25.)

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