詩:「モチーフ・メモ」
「モチーフ・メモ」
受験を控えた“高校浪人生”に、休憩しようと、紅茶を淹れてやる
よくお母さんの事務所で遊んで、紅茶やコーヒーを飲み慣れているんだと
うれしそうに言うので、やはり母親を慕っているんだと確信したこと
有名な進学校の中学生たちが、黒い制服で土手いっぱいに歩いて来る
すれ違いざま「なら世の中みんなやらせだよ」と笑って話すのを聞く
その子の腕章の「日直当番」の緑色が、とても鮮やかだったこと
先日、コンサート会場に向かう途中、上品な女性に声を掛けられ
「いつも本を読んでいますね」「書き込みも読んでます」と言われ
素直にうれしく、背筋がすっと伸びたような気持ちになったこと
曇り空の下、川の土手の公園に紅梅の木があって、思わず引き寄せられ
老齢のこと、金の心配、仕事の不安など、みんな聴き取ってくれて
心がふくよかになり、「いま・ここ」にいることが愉快になったこと
※「モチーフ」とは、行動に向かう原動力、刺激、動機のこと。それを書き留める「メモ」。
すぐに「鬱」になり、心配や不安に苛まされることが多いが、そこにいてはダメなことは分かっているし、マイナスの言葉にひっかかりたくないの
で、散歩に出、歩きながら嘱目をメモしているうちに、なにくよくよすることもないさ、温かい気持ちでいればいいのだと思えてくる。