弱音を吐くな!
「先生!弱音さ吐かずに頑張ってけれ!」
歯の治療が終わったところへ、秋田の90歳のR子さんから電話があり、激励されてしまった。この間、81歳になり、ちっとも大成できず、苦境の孤独を詩に書いて、知人に送っていたのだが、親に叱られた子どものような気持ちになり、見っともなさを痛感する。しかし、最高の激励に感動もする。
「わたしもキチキチの年金生活、大病を患い、やっと生きている。週2回のデイケアに行く暮らしだ。それでも、先生に認めてもらったことを頼りに頑張って生きているのだから、先生が愚痴を言っててどうするの。頑張りなさいよ!」と、涙ながらの激励に胸が熱くなる。
もう40年も前、増田町の伝承民謡「さいさい」の保持者として訪ねて行ったのが初めてだった。近くの鉱泉に続くリンゴ畑の「秋田りんご」を時々送ってもらっていた。パーキンソン病で苦しんでいたらしいが、今日の声は、すごく大きく元気そのものだった。「もう会えないかもしれないけれど、頑張って生きていきましょう。」―—返す言葉もなかった。
♪咲いた桜の枝折るカラス情け知らずの山ガラス
いえ、十分に情は伝わり、元気を取りもどす。もう弱音は吐くまい!(4/22)