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陽光に誘われるように


陽光に誘われるように

昨日までの悪天候が嘘みたいに明るい晴天だ。午後ちょっと散歩にと思って歩き出したら、気持ちが良くて、ついつい浜の方まで歩いてしまい、結局3時間足らずの散歩になってしまう。心配してくれた人もいるが、昨日、出向先の高校が決まった。塾生が、「先生、働き過ぎて、去年みたいに倒れないで下さいよ。」と言う。心遣いはうれしいが、勤労意欲と体調は矛盾することでもなかろうと思う。去年のことは、たまたま疲労が重なっただけのこと、だからこそこうした散歩が欠かせないのだとも。

浜まで歩き、二つ良いことを拾う。一つは、この西宮港を風待ちできる良港にするために、頑張った米穀商の當舎屋金兵衛(1740~1824)という人がいたこと。港や町の発展のためには、懸命に努力した人物が必ずいるのだということ(かれが招聘した住吉神社の碑文)が、わたしを元気にする素材と思えたのだ。

二つ目は、浜からの六甲連山の雄姿が陽光を受けて、とても神々しく、力を与えてくれたことだが、それに関して、思想家の丸山眞男も、幼少期この景色を眺めていたことを思い合わせたから、一層心をワクワクさせた。ちょうど朝、『日本の思想』と『丸山眞男』(苅部直著)を読んで、かれが芦屋市打出に住んでいたことを知ったからだ、高校の教科書に「であることとすること」という文章があり、とても啓発を受け、「自由である」ことより、「自由する」ことの大切さを知り、わが生涯のライフスタイルが決定したように思えた。「他者感覚」と言うことから、50年ぶりに丸山眞男に再会した思いで、かれもまたこの六甲連山を眺めていたのかと思うと、うれしくなったのだ。(3/27)

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山元町 結工房より
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新宿文化センター 大ホールにて
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