深い幸せ

１月１１日、狛江での高句麗伝説の経験をありがとうございました。
開演を待って座っている時、自分がどこに居るのか？これから一体何があるのか？急に分からなくなり、無重力で宙に浮いている不思議な感覚になりました。そして始まると、第一音からいきなり未知の宇宙空間に投げ込まれました。既存の音とか演奏とかいうものを一切ぶち破る物凄いエネルギーを受け、純粋な驚きと共に、これから一体何が始まるんだろう？と、子供のようにワクワク躍動する心になりました。
高麗さんのお声は、海底まで真っ直ぐ届く光のように、自分で自覚出来ないくらい深い内面にまで浸透して行きました。お声の光の滴は、波紋となって心の水面に広がり、今もずっと広がり続けていることを心の裡に感じています。
お姫様の詩では、不意に闇夜の中に銀色に光る湖面がスクリーンに映し出されて、ハッと息をのんでいると、不意に琵琶湖に佇むお姫様の後ろ姿のシルエットがスクリーンの中央に浮かび上がり、その瞬間、胸がドキッと音をたてたことを覚えています。私の魂は何かを語りたそうにしていて、それは少しずつ近づいて来ることを感じています。
東明王様の詩では、雪の匂いと、雪で湿った土の匂いもして、空間を渡っていく早春の清々しい風の匂いも感じられて、とてもワクワクするのでした。今まで距離があってお聴きしていたのですが、それが無くなっていることに気づき嬉しかったです。
先生のギターの演奏は、未知の存在達の合唱が響きわたる中、心の奥まで浸透し、しっかりと支えてくださり、どんな困難をも越えて行く強さを与えてくださいました。そしてシリアの砂漠の詩は、初めて自分の心の裡で感じることが出来ました。昨年１２月にシリアの映画上映会に参加し、先生のピアノコンサートをお聴きし、シリア大使のお話も直接お聞きする機会に恵まれたことで、私の内面はシリアの魂に出会い交流し、内面が変わったのだと分かりました。そのことがとても嬉しかったです。先生が演奏なさったのはマンドリンでしょうか？楽器の名前は存じませんが、高麗さんの詠まれる詩と溶けあって心に浸透しました。
最後に好太王様がご登場されてからは、圧巻でした。心身の輪郭が無くなり、椅子に座っていることを忘れ、大宇宙にいだかれ、上昇し、無限のエネルギーの炸裂の只中にありました。
最初から最後まで、夢中になる経験であり、本当に素晴らしかったです。ああ素晴らしかった･･と心の底から感じ入ることが出来るとは、人間として何と尊い経験なのでしょう。アンコールの、高麗さんのお父様の詩、先生のクラリネットの演奏では、高麗さんのお父様の笑顔が輝いて、私達と共に居てくださり、大きな温かい風が吹き渡るように感じました。先生も高麗さんも、会場の皆様も、みんなで一緒に居ることが心の深くから幸せで、とても温かい気持ちになりました。
そして最後の手拍子と「五女山で会いましょう」と仰った高麗さんのお声が忘れられません。
先生が、拍手を続けるようにと手を大きく回してくださったことが、心にじん･･と来て力いっぱい手を叩きました。
自分には乗り越えて行く大きな課題がありますが、高句麗伝説で経験しました深い幸せがあり、おそれずに越えて行けます。
今朝、公園の雑木林の中を歩いているとき、朝陽の光がとても透明で、清らかな水の流れに感じられてなりませんでした。
そして早くも小さな白い梅の花とピンクの梅の花がほころんでいるのも見つけました。厳しい寒さの中に灯る春の光です。
高句麗伝説を経て、身近な自然も次元がどんどん変わっています。私も生まれ変わります。