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わたしの元旦


元旦の朝の恒例になってしまった金剛登山、同じことの繰り返しではだめだと思いつつも、朝5時半に起きて、出かけてくる。そして、やはり行って良かったと思う。わずか3時間の歩きでは、物足りなさもあるが、伏見峠からの下り道、川の流れの音が、何か体に響くようで、生きる意志を支えてくれるメッセージのように聞こえたので、自然に触れること、山を歩くことの意義を改めて感じる。今年も前進あるのみだと。

帰途、百舌鳥八幡で下車して、御陵温泉亀の湯に行く。薄茶色いアルカリ泉は、肌に優しく、身体の凝りを溶かしてくれる。そう、ちょっと頑張り過ぎなのだ。肩や背中が痛む。だから、少し長湯して、休養を摂る。やはり出かけてよかった。

午後4時半に帰宅すると、塾生のFくんから電話。「先生、大丈夫ですか?」と。なんのことか、分からずにいると、能登地方で震度7の地震があったと。かれの住む芦屋は、大分揺れたらしく、心配してかけてくれたらしい。TVを付けると、「大津波が来ます!早く逃げて!」と、女性が金切り声を挙げて、そればかり繰り返すので、何か腹立たしくもなる。ちょうど、加藤シゲアキの『なれのはて』を読んでいて、「疾風に勁草を知る」という言葉に感心していたときなので、何が起きるかわからない世の中で、わめきたてるよりも、冷静に強い意志で生きていかねばならないと思った。なにより塾生の気持ちがうれしかった。

さらに、奈良の知人が、餅や黒豆や苺を宅配便で贈ってくれた。これで飢え死にすることはあるまいと、変なことを考え、自分で笑ってしまう。支え合って、生きていくうれしさを感じてしまう。さあ、今年も始まったという感じ。

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