膨らむ魂

9月7日、新宿での高句麗伝説、8日、いだきしん先生コンサート開催を真にありがとうございます。
身深く沁み入る いだきしん先生のギターの音色。そしてアンコール時の どこまでも昇る管の響きが、今以て耳元に在ります。高麗さんの語られる一言一言 胸に迫り 高句麗伝説 本編最後、拍手前の一瞬の沈黙に 集結した魂の感嘆の吐息が聴こえるようでした。ここから全く世界が変わってしまったことを沈黙の一瞬が教えてくれました。そして後の先生のクラリネットの無限な響き。天井開き、全身は天空の向こうに引き上げられました。
遺跡の映像に重なる高麗さんの御声、パルミラ…。高麗さんを囲む女の子たちの嬉しそうな様子に、のどかだったシリアの街の光景を想い出し 涙止まりませんでした。砂漠から少し離れたホテル近くの街並は広々と綺麗で、ベンチのある水飲み場横に風船売りのおじさんがいて 男の子に風船を一個手渡ししていました。記憶の中の美しい風景が今は無いのか。それでも決して破壊されない魂の存在を、先生の音と高麗さんの御声は伝えてくださいました。

そして昨夜、いだきしん先生コンサート。後半、先生のピアノの繊細な連打は胸の扉をずっとノックしてくださり、やっと開いた扉の奥に 潰れひしゃげた魂が息を吹き返し膨らみ出た体感がありました。先日の東北で自らの魂の存在を知り、心身は激変。魂は表にあらわれたのだと思っていましたが まだまだ奥に在り、驚愕すると同時に胸は本当に楽になりました。
先生からいただいた全く新たな世界で、これから堂々と魂顕す表現を深めていきます。いだきしん先生、高麗さん、真にありがとうございます。
岩村ゆかり