KEIKO KOMA Webサロン

青空に向かって


人を打ちのめすものが、不安、恐怖と先生からお聴きしていましたが、一瞬にして人は落ちてしまうことを改めて身にしみました。昨日の出来事です。無事に鼠蹊ヘルニアの手術を終えた母から、電話が夕方にありました。まだ麻酔も醒め切れぬろれつの回らぬ口で、気丈にも「無事に終わった。」と、私に礼を告げました。思わず手を合わせ、感謝しました。

その夜遅く「おかしくなっちゃったよ〜。小さな箱に閉じ込められている。」と、電話の向こうからパニックになっている母の声が飛び込んできました。咄嗟に大きく深呼吸し、目を閉じ、母の言葉を受け止めました。父も、ちょっと入院しただけで変調をきたしたからです。「今まで、あんたに迷惑をかけぬよう頑張ってきたのに。」涙声の母。看護師に代わってもらい、話をしても「麻酔が切れたから。大丈夫です。」だけ。一体、何が大丈夫なんだろう。伝わらぬ母の深い心。私は代弁することしかできないのだろうか。幸いにも医師が、個室の扉を開放したことで救われました。一時的に窓を開けて、点滴に睡眠薬を入れることで終わることではありません。病院側の管理上、大部屋から個室に変えたとのことでしたが、大事な術後のその一晩の重みが、人をダメにしてしまうと分かりました。私は個室であっても、先生がいて下さり、先生のサウンドシステムと先生のコーヒーがあったからこそ、命救われて無事に先生に、またお会いできたのです。しみじみと、人間の命の働きを考えます。入院した日も、退院する日も抜けるような青空です。今朝の母は、電話の向こうで少し落ち着いていました。青空を眺めながら、「パパさん、ママさんを守って下さい。Jully、君の出番だよ。お願いだよ。」と願いながら、そして、何よりも私がこの青空のように、澄み切った心で母を迎えに行きます。

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