詩:放下の旅
もうよそうじゃないか
車窓に流れる風景の中で
そうも自分を傾けてみる
もういいじゃないか
松山に向かう高速バスの中で
そうも心に呟いてみる
愛媛大学に通う教え子と道後温泉に行く約束を果たすためだけ
ただ、そんな時間と金を使う余裕は全くない苦境にいるくせに
しかし、この無目的と無意味と無駄をなんとしても取り込みたかった
こきりこの竹は七寸五分じゃ、長いは袖のかなかいじゃ
踊りたか踊れ泣く子もいくせ、ササラは窓のもとにある
富山県五箇山民謡、「こきりこ節」は放下師が歌い広めたらしい
平家の落人伝説も重なって、どこかやるせなさとユーモアがある
ハイデガーは、「放下」(Gelassenheit)が大切だと言ったそうな
流れに身を任せるような状態とは、車中読んだ本で知ったこと
松山はさすがな地方都市、子規や秋山兄弟の賢さがいまに残っているような
薬草の研究をしている教え子は、まじめにもぐさの研究をわたしに話すのだ
聖徳太子も来遊した道後の湯は、わたしたちの存在をゆらゆらとゆすってくる
窓のサンサもデデレコレン はれのサンサもデデレコデン
あまり意味を問い詰めてもだめだし、効能効率を追いかけるのもあさましい
明日からは冬将軍、今年一年のよかったことを書き出してみようと思う
今年の喜び12条
①山歩きを重ね、元気を回復した。高校山岳部と西穂高行。山の詩を書き、英気を養う。
②靴(3万円の新製品)を購入し、靴屋に何度も行き修理し、フィットさせた。
③ネグレクト被害の塾生Yたちを、大和郡山に稲刈りに行かせたり、外出させえた。
④松山・道後温泉に遊び、愛媛大に通う教えごとの約束を果たし「放下」の境地を得た。
⑤人生の大先輩、片桐ユズルさんを仲間とインタビユウに行き、その訪問記をつくった。
⑥毎月のいだき講座で賢くなり、新生し、コンサートでの魂の覚醒を得られる喜び!
⑦生徒たちとの交流。特に高三生が別れを惜しんで、「ありがとう!」の文をくれた。
⑧「コロナ禍」で塾ができなくなり、支援金給付も得て、頑張って、何とか維持する。
⑨国語教育の充実のために独自の「エクササイズ」を作り続け、実践し続けている。
⑩『白痴』読破など、いろいろな分野の読書が頭と心を養う畑になっている。
⑪表現の会に参加し、歌を歌い、自作詩を朗読し、他者の影響を与え続けている。
⑫オンライン「詩の朗読会」を立ち上げ、有料にし、もう10回も続けている。