“花”
上本町の駅前にクスの大木が数本あって、朝、通学すると、セミがもうやかましいほど鳴いている。ふと昨夜の講座のことを思い出し、かれらは一週間の命なんて考えもせず、ひたすら樹液を吸い、生殖を求めて生きているだけなんだと、その「潔さ」に感動さえするのだった。たしか、「人間は、ひたすら上昇していく生き方をすべし。」と先生は、おっしゃっていた。どんな状態であれ、内面的な輝きを失なわず、希望に生きよとも。死にたいほどの難病を抱えつつも、やはり命をあきらめてはいけないし、周りの人もそれをサポートすべきなのだと改めて思う。セミたちと違って、哲学的な命題を必要とするが……。
講座の最後に発言した若い男女に「花」があったのがうれしかった。若い時の花は、危ないらしいが、ちょうどセミの鳴き声のような明るさがあった。