育む
昨夜のコンサート第一部は、ライブ配信を東府中に向かいながら電車の中でお聴きしていました。「自分を知ることを育む」「育む」という響きに希望を感じ、自分の内にある芽に光が注がれたように輝きます。「限られた人生」という響きに、心がぐらりと揺れます。わさわさと揺れ動く心を静めて、演奏を待ちました。第一音から、まるで違う異次元の世界でした。さっきまで座っていた電車の光景が、ぼやけて消えていきます。今、私はどこに向かって運ばれているのかと、目を閉じながら考えていました。大いなる存在に抱かれるとは、このようなことかと知る第一部です。第二部から、会場に入らせて頂きました。「様々な教訓の中にあって」「教訓」という言葉が、自分の中で馴染みがありませんでした。ところが、演奏をお聴きしているうちに、意識はしていなくても自分の中に、いっぱい詰まっていることが分かり驚きました。歯を食いしばるような自責の塊が、ある種の縛りの様な枠組みが、どんどん溶けていきます。余計な身体の力が、どんどん抜けていきます。突然、愛犬Jullyの姿が見えました。夜遅く帰る私を、寝ぼけ眼の寝起きの状態で部屋から出てきて、玄関の廊下を出迎えに歩いてくる姿でした。よろめきながら歩く彼を、抱きしめる感触が蘇ります。人間の言葉は話せなくても、たくさんのことを教えてくれた愛犬です。私は人間として、どれくらい言葉に表せているのだろうかと自問します。最後の最期まで生きることを、身をもって教えてくれた彼です。「いのちのちから」を、全身に刻むようにお聴きしていました。何もかもが一つになった時、コンサートが終了しました。あたたかな丸い気持ちでした。夜空に浮かぶ、お月様のようでした。もっと、もっと自分を知りたいと強く望む今です。ありがとうございます。