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現実を認め


迎賓館コンサートが終わってしばらく、ショックで何を表現したらいいのかわからず、大津サービスエリアに着くまでひたすら黙っているよりありませんでした。高麗ギャラリーに下り着いて、やっと自分の口から出た言葉は、日本がなくなるってことは。。という問いでした。演奏の間に先生がお話し下さったお話は、その時点では先生の仰る通り日本がなくなると言われても全くピンときていませんでした。それがピンときたということなのかはわかりませんが、今もショックで、自分の中では現実を知りもせず勝手に当たり前にしていた前提が崩れていくことを感じています。当たり前の前提とは、当然日本は日本のままあり続けるという前提です。しかしそもそも日本と言っても敗戦国となった日本に生まれ、どれだけ自分が日本のこと、日本人であることをわかっているのか問われても答えられないと思います。まずは現実を認めること、と仰って演奏して下さった先生の言葉が蘇ります。日本がどのような状況、状態にあるのかをわからず、勝手な夢を描き、世界へと言ったところで、地に足のついていない自分の状態を認めました。
ライフワークのようにして介護、医療の世界でずっとものを見、そこを支点にしてものを考えてきている私は、高齢化がすすみ、年金は破綻する方向へと進んでいること、少子化に加えて若者が将来に希望を見出せず引きこもる人も多くなっていること、高齢者の介護の問題、医療の問題等には強く関心を持っています。浅い知識ですがそれでも日本の社会全体は落っこちて行く方向に進んでいることは見えてきます。日本がなくなるという状況が自分の人生の将来設計、シナリオにまるでないということもショックですが、日本がなくなる危機にあるという状況を認めることはさらにショックです。
先生はずっとわかりながら先をつくるため生きて来られていることをお話くださり、この現実を認め、純粋な魂に働きかける力に賭け、奇跡に賭けると仰った先生の言葉、存在と共に生きるよりないと感じます。自分のことだけを考えたらあっという間に周囲と一緒に落ちていくことを感じます。
今日経験したことは大変にショックですが、それでも何もわからず生きて死にたくはなく、わかって、先をつくるように未来をつくるように生きていきたい気持ちはあり、今日経験させて頂けたことはこれからの自分の在り方に大きく影響すると感じます。本当にありがとうございます。

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