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今日も元気に


実家に帰るや否や、何やら母の声が聞こえます。慌てて部屋に行くと、左足が痛いと言います。「おしっこでオムツが濡れて足が冷えて痛いから、早くオムツを取り換えて」と言うのです。私が夜帰宅するまでは、お泊りだったのでそんなことはないと思いつつも確認しました。案の定きれいな状態だったので母に告げると、安心して落ち着くと共に痛いと言わなくなりました。母曰く、看護師さんに足が痛くなる理由をそのように聞いたそうです。お泊りの時はオムツを小まめに取り換えてもらえますが、泊まれない時は自宅時間が長い為にオムツ着用時間が長くなります。それでそのように聞いたのかもしれません。食後に飲む薬が先週より増えていたので、気になって連絡ノートを見ました。足の痛み、尿に対しての不安、訴えが強く頻繁に夜コールブザーを鳴らすこと、休めていない為に薬の量を増やし処方変更したと記載がありました。1つは漢方薬でしたが、錠剤が2倍の量になっていて複雑な思いで母に渡しました。先程の母の姿を見たので何となく状況は分かりますが、現象を抑える薬を増やしたところで根源解決にはなるはずもなく、母の言葉を聞いてくださいと言いたくなります。おそらく精神安定剤も処方されているはずです。間もなく93歳になる母に、これ以上薬で体の負担をかけたくないのが本音です。どんな内容であれ、きちんと受け止めて話せば落ち着くのに、介護の現場は一人の人間に時間をかけられないのが現実だと身に沁みます。その夜、母はいつも以上によく食べました。私と同じ量をぺろりと食べるので、思わずよく食べるねと笑いながら私の分を分けてあげました。嬉しいです。温めたタオルで顔を拭くと「化粧水つけようか」と母が言います。倒れて入院して以来、初めて聞く言葉です。鏡を見ながら、自分で丁寧にコットンでお手入れをし始めました。化粧水の後は、アルガンオイルで丁寧にやさしく顔をマッサージをする母の姿を見つめていました。雑で乱暴者の私とは大違いです。だから母は、いつも綺麗なんだなと納得しました。皺もシミもなく、色白で艶々な顔です。穏やかな表情の母を見ているだけで幸せです。毎週私が帰った時は、お手入れタイムをしようと決めました。翌朝、突然母が「金食い虫で情けない」と言い出しました。その言葉を聞いて、思わず笑い飛ばしました。「どうせお金を払うなら、思いっきり元を取れ。早く元気になりゃ、こっちのものだよ」自分で言いながら自分に驚きました。「今日も元気に、あははのは」黙ってうなずく母が大好きです。先生のお陰で元気です。ありがとうございます。

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