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「生き甲斐」


 

野口三千三氏の『野口体操・からだに貞く』という本があって、「からだとコトバの探検」というところには、先日の先生の「禮」のお話と同じようなことがたくさん書かれている。「コトバというのは、からだの動きそのもの、あるいは、からだの動きの延長だ」ということを、『説文解字』などを使って説明する。たとえば、「幸」(しあわせ)とは、「手かせをはめられていない状態」とか、「若死にしないこと」とか、と面白く語る。(だから、「言霊説でいきたい」となるところが、前は引っ掛かっていた。「言霊」という仰々しさにまだ少し抵抗がある。)そのなかで、「生き甲斐」は、「生き合ひ」「息交い」「息が合う」で、「結局はお互いの息が、あるいは生き方が、ぴったり通い合うときに感ずる、あの特有な感じを持って生きていけること」が「生き甲斐」のある人生だと説く。「すべては具体的なじぶんのからだの内側で感じる実感だということ」。この言葉が内面とぴったりしているという点に、今一番感じるものがある。
こんな詩を書いた。

5月の夕方

その男の子は、「夕方」が一日の中で一番好きと言う
小学生だから、てっきり「朝」と答えるだろうと思っていたが……
暑さも安らぎ、なにか落ち着くからと、恥ずかしそうに語る

そう5月の夕方は美しい! 青い空に少し赤みが射し、輝く
朝や昼の明確さが靄になり、別の味わいや思いを醸すから
なんとか仕事をこなし、一息つき、しかし、まだ終わりじゃないし

5月病というのがあって、折角走り出したのに、ブレーキがかかり
いくら語ってもいくら動いても、通じず、「信」が生まれないもどかしさ
だが絶望したりやけになったりするのを、5月の夕方は静かに癒す

その男の子の、鋭敏さと賢さに触れたのが、今日の収穫!
小学生らしい集中力と、大人とは違う感覚は、5月の夕方の美しさ
明日もう一度やり直せば、語り合えば、生きる力を得られよう!

 

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