「幼い日」
夙川公園、片鉾池のほとりに、八木重吉の短い詩が刻まれている。「幼い日」―おさない日は/水が もの言う日/木が そだてば/そだつひびきが きこゆる日―と。
そこを通って夙川駅に行き、芦屋川から、高校生の夏山トレーニングに付き添う。「先生、痩せましたね。」「今日は少し疲れてません?」と声を掛けられるも、わたしは元気いっぱいだった。時折吹く涼風が火照った体を冷ましてくれるし、緑濃い木々は新鮮なエネルギーを身体に注入してくれる。そして、楽しそうな少年たちの眼の光がわたしを若返らせてくれるから。「老いの日」もまた「幼い日」と変わらずだ。