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「何がやりたいのか」


何か自分の好きなことをやっていくなら、いくらでもサポートするよ!――そう声を掛けられても、双子の姉妹は返事できない。やりたくないことは言えても、自分の「志」は正直わからないのだ。そうかと言って、このまま生活保護の庇護の「安泰」を続けるべきでないことも分かる。まるで自信もないくせに、だからだろうが、緊張ばかりしている。
大和郡山に旧知の人がいて、5月に矢田寺の帰りに双子とよったら、彼女たちのことをとても気にしてくれ、障害がある息子さん(40歳くらいか)と暮らす家で、今日、昼食会を開いてくれた。自分で始めた田んぼを見せに連れていってくれたり、なんならこの部屋に住んでもいいよ、とまで言ってくれたが、彼女たちは猫と戯れるのに夢中で、感謝しながらも疲れてしまったらしく、帰途は寝てばかり。
その知人が、前向きにさえ生きていけば、なんとしても食っていけるし、いろんな人が助けてくれるよ、と自分の体験を語って話してくれ、わたしの方は、全く同感で、こっちまで元気になるのだが、「志」を育て得なかった人には、なかなか一歩が踏み出せないでいることが、今日はよく分かった。
さて、どうしたものか、特段の思案もあるはずもなく、彼女たちが「きっかけ」をつかむまで、そばにいて見守るしかないと思う。すごい雨が想像されたが、不思議に晴れて、矢田丘陵からの風は気持ちよく、かれが作ったジャガイモがとても美味しかった。ま、一歩前進か。

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