風 香り
お家ブティックの下見に高麗恵子さんにお越しいただいた時、私達家族が、出会った沢山の詩をみていただくと「京の華」と名づけてくださり「京(みやこ)は王様のいるところ」という意味があることもお聞きして、驚きと喜びと、心に王様がいる沢山の民が顔を上げ笑顔と輝きをみせてくれたように感じまして、さらにうれしかったです。
高麗恵子さんがいらっしゃる日にむかって、お掃除をはじめると楽しくて、いそいそと亡き母まで手伝ってくれているのを確かに感じました。又、姉が高麗恵子さんからいただいていた墨文字の作品も初めてみさせていただいて、今まで知ることもなかった姉の姿に出会う機会ともなりました。作品を展示していく時も、あっこうやっていこう、こうやったらどうかなっと、打ち合わせもなしに動いていけることが楽しかったです。こどもの頃からある津軽塗のテーブルに墨文字を並べた時、墨文字によってテーブルが活かされ、高麗さんの表現によって、北国の職人まで、光ったと感じうれしかったです。
そして、高麗恵子さんが「京の華」の玄関にいらしてくださった当日、玄関に展示したお写真と詩を詠んでくださった時、風が吹いて、鳥肌がたち胸の奥が動き涙があふれそうになりました。展示させていただいたどの墨文字も高麗さんがよんでくださると、浮き立ってみんな生き返ってくるようで、思わず書をはじめられた時の事を高麗恵子さんにおききしました。小学生の高麗恵子さんと木漏れ日と風と墨の香り…そのワンシーンが今ここにあるようで、お話しをおききしているだけで、このことがあれば生きていけるというほどにしあわせを感じました。
又、好きなことをしてはたらいて生きていけば、新しい国創りになるとおききして、余計なことはすてて、なるように動いていくのみとなりました。そして、高麗ギャラリーカフェの二階で書いてくださった手作り詩集「夏の詩」を高麗恵子さんが詠んでくださいました。皆んなで目をつむり、心澄ましおききしました。胸の奥にまで声がはいってきて、身の内の中から高麗恵子さんの声が鳴っています。魂の墨文字 魂の詩 魂の声。予言され書かれていることの時は今なのだと、今しかないのだと実感しました。高麗恵子さんと墨文字のある和室で語らう時の一人ひとりの、尊いこと、つながり、新しくはじまる芽をみます。
武蔵関の駅前に、高麗さんの新しい国創り事業の軽自動車が止まり、高麗さんが乗り込み手を振られて帰えられるのを、マーブリングの洋服をきて皆んなでお見送りしました。走り去る軽自動車からキラキラが広がっていきました。こんなに明るい武蔵関駅前ははじめてです。
高麗恵子さんにお越しいただき、お家ブティック「京の華」をはじめられますこと、心よりありがとうございます。