鏡

三鷹でのコンサートをありがとうございました。自分の目的意識が鏡に映し出されたコンサートでした。

最近、詩を読もうとしても、本と睨めっこをしている状態が続いていました。活字を目で追うだけで、詩が体の中に入ってこないのです。少なくともかつてのようには読めなくなっている自分に気づきました。そのような中、臨んだコンサートでした。

第一部では、爽やかな風が吹き、風になびく金色の草原にいるようでした。終了前には、無限なる宇宙を経験しました。一方、第二部になると、ピアノの音がなかなか体の中に入ってきませんでした。まるで、読めなくなってしまった詩のようでした。音と一体になれる時間が持続せずすぐに途切れてしまうのです。その原因を問うと、「このようなもの」として、演奏を自分の理解という枠に当てはめている自分の状態がわかりました。また、瞬間、瞬間の時を継続していけない状態は何故かと問うてみました。すると、自分の目的意識の強さが、それを阻んでいることに気づきました。その直後でした。突然、体と空間が一体化し、お腹の前方に奥行きと広がりを感じました。それと同時に、ピアノの音が体の中で鳴り響いていました。まさに、鏡に映し出された自分の強い目的意識から解放された瞬間、瞬間を経験した無限の時間でした。

ありがとうございます。