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高校生との会話


塾生の高校生が吹聴したのか、「わたしに会いたい」というクラスメートを連れてやってくる。朝日新聞の「再びマルクスに学ぶ」(斎藤幸平さんの『未来への大分岐』をもとにした記事)を材料に、いま、何を考え、何をやろうとしているかについて、話し合う。「グレタ・トゥンベリさんのことをどう思うか。」「とても大事なことを言ってるが、あまりにも過激すぎる。」「ほんとうにそう思うの? それはマスコミの感想のくりかえしではないか。」「へえ。まあ……。」「じゃあ、聞きたくないね。」「でも、自分もそう感じますが……。」「感じるのは勝手だが、彼女のメッセージを受け止めるなら、そんな”評価”を繰り返していても仕方ないじゃないか。」云々。世の中の動きや話題に関心を持ち、情報を持っていることは、悪くはないし、他の生徒よりはましなのかもしれないが、もう一歩、自分で消化し、行動につながるような発言がほしいものである。「気候変動や格差社会は資本主義の代償」であることは理解しても、つぎの一歩を踏み出せないでいるのは、高校生より大人なのだろうが、一億総評論家では仕方ない。

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桐箱書