一歩間違えば

仕事帰りに雨風が強まる中、花壇に咲く黄色いランタナが目に入りました。雨に濡れてあまりにも綺麗に輝いていたので、思わずしゃがみ込み写真を撮っていました。すると突然、右の腰に熱いものを感じ何かが軽く当たったので、思わず振り向くと直ぐ目の前に車がいて飛び上がりました。熱いものは車の排気ガスで、腰に当たったのは車だと分かりました。夜しゃがみ込んでいたとはいえ、オレンジ色の傘を差し、人通りのある脇道です。慌てて立ち上がり、運転席の人を睨みつけましたが、私と目が合ったもののバックして車を切り返す事だけに集中し、そのまま走り去ってしまいました。もしあのまま車がバックし続け、私が後ろ向きで気づかずに写真を撮っていたら・・・と考えただけでぞっとします。というか、バックミラーに私のオレンジの傘は映らなかったのでしょうか。あり得ない事だと思いつつ、実際にあり得ている現実です。自分の身は自分で守らなくてはいけないと、突然恐ろしくなりました。一歩間違えば車にひかれていたのです。何事もなかった事に胸を撫でおろすと同時に、どんな時も気を抜いてはいけないのだと思い知らされた夜です。