生死を超え
第一部「まだ無い一音」
弾けるのは、今までのサウンドだけ。
「生み出そう」とすれば、その意図もまた今までのものです。
それでも弾き尽くして、まだ無い一音にはとどかないかもしれません。
けれども、今までの音が尽き、
自分にも次がわからなくなったその先の、一音。
人間には、まだ無い未来をはじめる力があります。
今までのことを一生懸命繰り返しても未来にはとどきません。
未来をはじめる力を、一音に託します。
第二部「今までの音から未来をはじめる」
身体の中心を外さないままでも、
まだ無い一音をあらかじめ弾くことはできません。
しかしながら、今までの音で次の一音を選ぶことはできます。
即興の妙です。
過去を繰り返すためではなく、まだ生きられていない方向へ向かうために。
今までの音から、何がはじまるのでしょう。
その答を言葉で決めず、演奏そのもので問います。
皆様の健康、愛、幸せを願います。
何という繊細なメッセージでしょうと、心静かに澄んでいなければ、メッセージの一言一言を受け止めていけないと感じ、内面深くを感じ、言葉を読ませていただきました。静かな湖面の上を歩いているような感覚となりました。当然歩ける訳もなく歩こうとしたこともありませんが、そんな感覚となったのでした。先生が生み出す一音一音を受け止める時も湖面の上を歩くようにし、力を抜き、空間に満ちる計り知れないはたらきやエネルギーに身も心も委ねていく感覚でした。彼方から天の雫の音が生まれ落ち、音の行方は湖面に落ち、波紋が湖面全体に広がり、空間全体にも広がっていくのです。音が生まれては空間に溶け込み、空間がどんどん清められていきます。繊細で静かで美しい音はたくさんの魂が共にある事を感じ魂揺さぶられ、涙滲む音でした。見える図形は見たこともなく、経験したことのない世界が現れました。この世界を何と表現してよいかが全くわかりませんでしたが、わかることも言葉にすることもできない世界は心地良いばかりでした。ふとここが未来というのかと心によぎりました。また私は未来から生まれたのかとも感じる習慣がありました。そうであるなら納得できると感じたのです。過去の延長で考えていたのでわからずに苦しんだことも未来から生まれ生きているなら納得できるのでした。今まで経験したことがない世界を経験でき、心はほのかな喜びに微笑みました。今ここにいることは遥か昔からわかっていたのか、未来からかわかっていたのか、昔も未来もひとつの時空間にいました。
第2部のメッセージも一部と同様に受け止めました。最後の「皆様の健康、愛、幸せを願います」との先生のお気持ちが心に響き、感動と感謝に震えました。2部の演奏も素晴らしく、愛を経験しました。未来を生きるはじまりは愛と感じながら感謝し素晴らしい演奏に聴き入りました。2部も何を経験しているのかをわかることができるような世界ではなく、次元を超えていました。初めて経験する世界です。一部同様に言葉になるものではありませんでした。ふと生死を超えてという言葉になる状態を感じました。説明などできるものではありませんが、経験を言葉にするなら生死を超えてという表現が生まれました。9月にはいり、一日からお浄めせよと言われんばかりにお浄めの日々がはじまりました。自然と死を考える様になり、様々に整理しなくてはいけない気持ちとなり、先生の「死について」の講演会をお聞きしている時のように死と向き合うことが多くなりました。子供の頃から死を恐れ生きてきました。今日のコンサートにて生死を超えた世界を経験できました。そこには恐怖はありませんでした。永遠を感じました。魂震える程感動する演奏をお聴きしながら、唯一心臓が痛い事を気にしていました。最後に気になる痛みはなくなりましたが、少し残るものがありました。先生に体のことを尋ねられた時に心臓のことをお話させていただくと、先生は終わりゆくものを何とかしたくて大変であったとお話くださいました。私は合点がいきました。いつもは心臓が痛むと不安を感じましたが、今日のコンサートでは死への恐怖はなく生死を超える経験ができましたので、「今ここ」に居れたのです。先生が誰のことも受容し続けてくださっているので、支えられていることを生命はわかっています。支えられているので必ず抜け出していけるとわかります。それはどなた様のこともです。2部でそのプロセスを経験させていただきましたので、何とかしようとし続けてくださったとお聞きするとやっぱりと合点がいき、涙、涙となります。アンコールの後に死んでしまうという内容のことをおっしゃたことを先生からお聞きしましたが、終わりゆくものを何とかしようとしていた故とのことでした。私は聞こえなかったのですが、経験はさせていただきましたので、頭が下がるばかりです。おわりゆくものがあれば終わってしまいます。今日のコンサートを経験させていただき、時間と共におわりゆくものは消えていくと見え、その凄さに畏怖を感じながらもありがたいばかりです。心から感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。
