風が吹く
それは偶然でした。ニュースが終わり、そのまま流れ出したドキュメント番組に釘付けになっていました。彼のことはスポーツニュースで見る程度でしたが、直近の大怪我は知っていました。画面の向こう側から伝わる佇む姿、静かな語り口の言葉に惹き込まれていました。そして迎えたオリンピックの決勝。固唾を呑んで見守る時間。なんだろう、この気持ちは。結果の前に露わる、その人の生き様、存在、あらゆるものが彼から放たれていました。風が吹きました。その後に報道された彼のニュースや記事を見ながら、今までとはまるで違った世界をそこに見ました。いだきの風が静かに吹いています。すごい時代です。
