沈黙の世界

毎朝、起きると同時にベランダに出るのが楽しみです。まだ明けきらぬ紫紺の空に太陽の濃いオレンジ色が広がろうとする中、美しい三日月が輝いています。建物の黒いシルエットが静かに佇む世界は、子供の頃に見た絵本のようです。世界は美しいと、毎朝眺める毎日です。

コンサートメッセージをお聞きしながら狛江に向かう中、「音の正体」という言葉になぜかドキリとしました。次の言葉を待っていたら、突然電波が悪くなり聞こえません。いつも肝心なところで電波が悪くなり遮られます。苛つく時もありますが苛ついても何も変わらないので、ひたすら会場に向かいました。こうしてライブ配信と共に向かえることに感謝しています。昨日のコンサートの世界は、まるでいつもと違う不思議な体感でした。やさしい揺らぎの中で、静かに何かが振り分けられていきます。まるで美しい禊ぎを受けているようです。倍音が体全体に沁み入ります。最後の一音が、すべてを語っていました。何かが永遠につながりました。何もない永遠の世界です。第二部のメッセージは、一言一言にただ頷くばかりでした。と同時に、私自身も人の内面を先回りして占領していたことに気がつきました。「内面は沈黙を必要としているのです。」肝に銘じます。『第一部でいった「音」の意味を想起して下さい。』高麗さんの書込みで、お聞きできなかったメッセージを拝見しました。「愛とストレートにつながります。」何もない永遠の世界と感じたのは愛とわかりました。先生の世界は音の中で内面と向かい合う沈黙の世界です。間を埋めて生きる生き方は終わりました。ありがとうございます。