“面の皮” 剥がれ仮面を脱ぐ時
二日間、新・高麗屋空間を経験して自己の存在が大きく変わったことに気づかせていただきました。一日目は高麗さんのお奨めで3点セットをいただくことになりましたが今ひとつピンと来ていませんでした。翌日の皆さんとの語り合いの場で、そのことも含めて表現させていただいた後に3点セットを持ち帰る運びとなり、手に持って開いて見たりしてやっと高麗さんの仰っていた意味がわかりました。触って持って開いて、体で感じて生まれる感性こそがあのノートの秘密だったのです。
二日間取材させていただきましたが、二日目も少し早めに着いて取材の準備をしていたところに高麗さんがやって来られました。「岸本さんは昔から面の皮が厚いよね」とのお言葉とほぼ同時にご自分の心臓あたりを触って違和感があるようなお話でした。高麗さんの「面の皮が厚い」という言葉は自分では「厚かましい」との意味に捉えていたので最近、自分ではっきりと「自己の存在」を自覚していることにピタッときて妙に納得しました。一方で、すかさず高麗さんが「なんか変わったね」、私が「どこが?」、「昨日とは違う」「真剣な顔になった」・・・、などなど言わんとされていることが複雑系になっていきました。
そのまま高麗さんの語りに入って敗戦(終戦)の日について、御魂のことなどをお聞きし考えるところ多く、数日前にwebサロンに書いたホモサピエンスが誕生してからの30万年で死者と生者の合計は1880億人になり、いだきしん先生のされていることの凄さを書いたことなどが浮かびました。”厚かましくも!? ”そう確信したことを書いたのです。ただの思いつきや推察だけでは書けないのですが、理屈抜きに いのちの深いところで確信していることは引っ込めずに表すように心がけています。・・・同時に前夜のことを思い出しました。
一日目の新・高麗屋経験の後にホテルに戻ってゆるりとして先生のパックコーヒーをいただきました。いつの間にか、熊本城の31時間連続即興演奏や阿蘇アスペクタでのST1コンサートから海外での平和コンサート、あの頃の記憶が次々と蘇りました。自然といだきのホームページを見直したり、YouTubeにアップされているSTコンサート、また海外コンサートにも聞き入っていました。またまた紅茶に浸したマドレーヌに呼び覚まされたプルーストの主人公のように夢想状態に漂っていました。
二日目の皆の語り合いを終えると再び高麗さんが近くまで来られて「すごく変わったねえ」と言われたので、「なるほど変わったんだ」と高麗さんのことばの力でそれは確信になりました。語り合いの中でもいだきしん先生が「岸本の図々しさは天生のものだ」と仰ったとの話もあったので、最近感じているのはその天生のおかげで「今がある」ということでした。だからその天生を世のために生かすにはどうするか?をずっと考え、実行しているところでした。ところが、高麗さんとはつい昨日も会っていたのでそんなに一日で急に大きく変わったなんて高麗さんから言われないときっと自分一人ではわからなかったでしょう。
新・高麗屋プレオープンを前にいだきしん先生が感性をテーマにライブでお話をしてくださいました。実はその日は自分にとっては幾重にも意味のある記念の日でした。翌日から生まれ変わるための新たな暮らしが九州からはじまりました。そして、二日間の新・高麗屋空間の経験。身体をやさしく抱くかのように建物全体が丸ごと木に包まれた空間。先生の手づくりの器に大地から掘り出された土、溶け合う清らかな水、燃え盛る炎の芸術を観ました。最高の音響システムから先生の音が自然の光のように流れます。さらに高麗さんの様々なマーブリング作品がある中で「先生焙煎コーヒー」を淹れていただき、高麗さんが表現され、皆で表現し、自己の感性を研ぎ澄ます経験をする。これぞST!! 、Saito Tadamitsu 、Sensitivity Training !! 。 「一巡した」ということもあるのでしょうか?再び感受性のことが新たにはじまり、かつて先生ご自身が克服された哲学がヘーゲルの新たな登場と共にさらに深く深く展開され、私たちにとってはゆるがぬ感性をベースに悟性、理性、概念などを理解していく大きなチャンスが広がるとの期待感が高まります。
花々や木々から生まれ出た使徒 高麗さんは いだきしん先生の存在に出会うための様々な経験の場を次々と自らが探しながら皆で共に創っていく先駆者です。昨日16日の語りはライブで参加しましたが、預言者ムハンマド(マホメット)の光がピンクであったことをお聞きし、最初の「面の皮」の話の時に心臓あたりを触って「変な感じ」と言われていたのはムハンマドのピンクの光と呼応したのでしょうか。さらに「面の皮」は私がきっかけで起こったように感じましたが、実は高麗さんご自身のことでもあったことも合点がいきました。「面の皮」という言葉で高麗さんが感じていたこと、発見したこと、気づいたことを詳しくお聞きし、言葉から受け取った意味は微妙に違うようですが、その先に考えついたこと「仮面を脱ぎ、素のままの自己を表す」ということ、これは感性の領域と感じますがピッタリ合っていました。ピンク、イエロー、ブルー、グリーンの光が交わり融合しながら先生の存在に繋がっていく空間の誕生、未知なる未来との出会いの場にウキウキします。高麗さんがムハンマドのような存在であり、常にいだきへの道標を示してくださる存在であることに心より感謝致します。
常に向かい続ける経験の場と考える数多のヒントをありがとうございます。