不思議な感覚

夜空を見上げると、霙が降っています。交差点を行き交う人は急ぎ脚で家路に向かい、車のヘッドライトにも雨混じりの雪が浮かび上がります。顔を上げ見上げる夜空から降ってくるみぞれは寒さだけではない、言葉にできないなにかを感じます。自然のやさしさ、みぞれであっても、空から細い糸のような線になって降るみぞれに郷愁ともちがう懐かしさともちがうなにかは言葉にできません。ただ見上げていたい夜空から降ってくる霙です。
昨日から部屋にひとりでいても怖さを感じません。不眠になるようになってから、部屋にひとりでいると、漠然とした怖さを感じていました。今までと違う自分の状態に不安になっているからですが、不安より怖さが漠然とありました。今日も怖さは感じず、空から降ってくるみぞれに今を感じているのかも知れません。今日オンデマンドで京都応用コースをお聴きしました。病院の制度のこと、人間の歴史、闇の元、父は病院で最期を迎え、母は自宅で最期を迎えましたが、死を前にし、病院に連れていってほしかったんだと思いますが、コロナから病院には付き添いができず、病院に行ったら会えなくなることをもうあまり聴こえなくなった母の耳元で言ってきかせたこと、過去の想いが夜空から降ってくるみぞれのなかで昇華していくかのような不思議な感覚です。