新しい言葉

枯れ葉が降り積もった道を、ザクザク、ガサガサとわざとかき分けるように歩き、枯れ葉の匂いや音を楽しみます。秋の醍醐味です。

私は山形のそれも相当田舎と言われる山の中で育ちました。上京したとき、ある場面を説明しようとすると、いわゆる標準語では表せない言葉があり、友達に説明するのに困った覚えがあります。その言葉を標準語に訳すとなると、その言葉を使う状況、皮膚の感覚、匂いやそんなものも含んだ言葉なので、わかってもらうのが大変難しいのです。うちの田舎ではたった一言なのですが。
ただ今思えば、たとえ同じ言葉を使っていても、人によりその言葉の持つ意味は違うのかもしれないとも思います。愛や、平和、幸せ、健康などなど。本当のその言葉の意味をわかっていて使っているかというとそうではないのでしょう。なので先生はピアノで表現くださっているのだと考えます。また、今までなかった言葉を皆が当たり前のように世界でも共有できている言葉もあります。例えば「もったいない」など。もったいないの持つ概念に共感し、世界で共有されていった言葉です。言葉は不思議です。たった一つの言葉が世界を変えるかもしれないのです。これからの平和な世界には、皆が体験し共有できるそんな新しい言葉が必要なのかもしれないとふと考えました。
今日も良き日をありがとうございます。
後藤美香