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 シリア映画を初めて観て


シリア映画『ダマスカス アレッポ』の最後、絶対、イーサーは地雷を踏むんだ、その不条理の哀しみ象徴するんだと思い込んでいたが、爆発はなかった。もう一つの『ナツメヤシの血』の最後、仲良しの兵士一人くらいは生き延びるのだ、一筋の光があるはずだと思い込んでいたが、みんな死んでしまった。もうやりきれなさと、戦争ということのむごさと、そこで生きていくことの壮絶さにすっかり感化されてしまった。見に来なきゃよかったという思いと、この現実から目を背けても、何の解決にもつながらないという思いがせめぎ合う。
仕方ないから、休憩時間に、藤永茂さんの『ロバート・オッペンハイマー』を読んで、気をそらす。量子物理学も核分裂もさっぱりわからないが、科学者たちの正気と狂気が結構面白く、160pほど読む。すると、なぜかシリアが少し近くなった気がした。アレッポが何処にあるかも知らず、ダマスカスからの長距離バスに乗り合わせた人々のドラマが自分の知り合いのそれのようにも思えた。あの明るさと素直さと生きる力に感化され、『ナツメヤシの血』では、最後の最後まで、人間的魂を失わないでいようとする人々の死が、わたしの生を活性化させてくれた。やはり上映会に参加できてよかった。
きっとイダキシン先生のピアノによって、この悲惨と混乱の現実を踏まえつつ雄々しく生きる力が与えられるだろうと期待して聴き、その通りになった。先生が「欲求不満」と言われたのか、よく聞き取れなかったが、拍手ともにピアノ演奏があり、ぶれないで、現実を見つめ、前進して行こうという気持ちにランディングできた。ありがとうございます。(2024.7.13.)

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