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『考える脳・考えるコンピューター』を読む


ジェフ・ホーキンスら著、伊藤史英訳、早川文庫、2023.7.

台風7号が神戸を通過している。最新の気象観測の確かさを物語るように、「予測」は的中している。どうせまた逸れるだろうという思いは一蹴されてしまった。そして、窓打つ風雨が少し治まった感じの10時半、先日、本屋でふと手にしたこの本を読了。頭の中の「革命」がおこるのは、これで何度目だろう。

今年になってから、「チャットGPT」という言葉を聞かない日はないし、「AI」を意識しないでいることはできなくなった。産業革命以降の「機械壊し運動」に共感するような愚かさと「杞憂」の毎日だった。「アクティブ・ラーニング」を標榜し、デジタル化が進む学校社会の中でも、スキルのなさと頭の悪さに悩んでいたが、この本を読んで、視界が開け、「考えるコンピューター」に親しみを覚えたのだ。宇宙の神秘さえ理解でき、新しい可能性と生命力を手にする地点に辿り着けたような感じ!

松尾豊氏による解説、「端的に言えば、新皮質は予測のための器官であり、AIによって実現しうる。一方で、本能や感情を司る旧脳、身体やさまざまな感覚は人間に特有なもので、コンピューターで実現することは不可能か、あるいは無意味だ。この違いをしっかり理解することは重要であり、人工知能に関する懸念やリスクを議論するうえでも、議論の土台となる。」が最高の要約だろう。「知能とは何か」という本質の解明なしに、「生成AI」を忌避したり、批判したりしていることの暗愚から抜け出すことができた。正直、細部は、わたしにはわからないし、ついていけないところが多い。でも、この本のメッセージは確かに受けとることができた。意識の前に、脳は予測し、行動しているのだ!

再び、雨風が強くなってきた。でも、この後、「新しい世界」が始まる!

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