満月に照らされ
仙台のコンサートのライブ配信を、ラスト30分拝聴できました。くたびれて会社を出ながらイヤホンを耳に当てた瞬間、先生のピアノの音がシャワーのように全身に流れます。気づけば口元に笑みがこぼれ、元気に駅に向かって歩いていました。全身にエネルギーが満ち溢れます。ありがたいです。オンデマンドで、お聴きできるのが楽しみです。
無事に母は転院しました。さすがに、くたくたでした。早朝から実家に帰り母の着替えを探し、こんなに服がないのかと愕然としました。見てはいけないものを見てしまったかのように胸が痛みました。母に「リハビリ病院に転院だよ。」と告げると、「痛いのは、もう嫌だ。もういい。」と言います。「ここで終わるの。家に帰るんでしょ。」しばらく黙った後「そうだね、このままじゃ家で動けないね。」と私の顔を見つめます。車椅子のまま介護タクシーで病院に向かいながら、「新しい病院は、どんな感じか楽しみだね。」と、母の手を握り明るく言いながらも、これからが正念場なのだと考えていました。到着後、直ぐにレントゲン検査でした。朝から移動したせいか、気持ちが悪くなり少し吐いたと聞きました。車椅子からベッドに移るにも母は1人では何もできず、介護認定5を現実として目の当たりに見ました。慌ただしく多くのスタッフの方が挨拶に来られます。母は歳を聞かれて、33歳と大きな声で答えるので、思わず聞き返して笑ってしまうと、43歳だったと笑います。その調子だよと安心しました。週に2回お風呂に入れるのは嬉しいです。新しい環境に慣れて、母が楽しくリハビリを過ごせますようにと願います。空を見上げると、夜空から落ちそうなほど大きな満月がかかっていました。月明かりを浴びながら、向日葵が顔を上げて咲いています。あやふやにするのはやめて、はっきりと物事を言おうと決めました。