生命の中を流れ続ける先生の音
いつも朝通って行く公園の草むらに、今朝は紫色のクロッカスが次々と顔を出しているのを見つけました。一体いつの間に・・!あちらこちらからひょこひょこと、群れるようにして顔を出して、朝陽に向かって微笑んでいる様子は、とてもかわいらしくて、私の心に喜びの光があふれました。
三鷹 光のホールでのコンサートを心待ちにしていました。先生の一音一音が、清らかであまりに透明でやさしく、無心にお聴きしているうちに涙が出てきました。
ある瞬間、ふと気がついたのです。私はこの音をずっと知っている。生まれる前、魂であった頃から知っている。先生のピアノの音はいつも共にあって下さった・・と。そして、それは瞬間瞬間、どんな時も「今」だけがあるのだと・・。先生の音は、よみがえるどんな古い記憶の中にも流れ続けていて、どんな時も共にあって下さっているのでした。脈々と流れ続けている生命の中心を、芯のごとく、真っ直ぐに、先生の音は生命のど真ん中を美しく流れ続けて下さっているのです。一緒に生きている。今もこれからも、永遠に・・。そのことがワーッと心にせまってきた瞬間が、忘れられないです。失われてしまったと思っていた過去は、全て、先生のピアノの音と共に、「今」の只中を生き生きと生き続けているのです。今あること、今生きてあること、今生きて共にあること・・は、何と尊いのでしょう。そのことをとても深く感じるコンサートの経験でした。
今日のコンサートを心よりありがとうございました。