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浪人生に言い寄られて


母親が病的なクレーマーで、「あんたなんかの顔もみたくない。」といつも言うのだそうだ。父親も呆れ果てて、家にも寄り付かず、息子の自分ともほとんど会話しない。妹は一人いるが、これまた能天気で、何も考えずに、その日を過ごすばかりで、これまた自分とは全く合わないとのこと。そのかれがわたしに会いたいとやってくる。わたしの部屋ならすごく落ち着くし、先生の話を聞いているだけで元気になるのです、とまで言われたら、多忙を理由に追い帰すこともできない。なにしろ卒業生で一浪のかれの世話をする義務はもうどこにもないし、わたしの言うことはちっとも聞かないのだから始末が悪い。少しは柔軟な発想や変革への意志を持てばいいのに、旧態依然の価値観、偏差値信奉、被害者意識から一歩も出ないのだからどうしようもない。おまけに、「先生から母親に話してみてくれないか。」などと言い出す始末。

それでもほかに話す相手もなく、自分のダメさに困惑しているのを見ると、やはり放っておけない気もする。決して甘やかすようなことは言わず、かれの間違った思考については糾弾し、最低限すべきことはやり、とにかく前向きに努力を重ねれ行くべしと、こんこんと語る。

そのかれが、さっき電話してきて、予備校の先生に相談して志望校を決めたことと、今日の試験勉強から、自分が「気分だけの軽薄な言葉」に左右されて動いていたことがよく分かったと報告があった。一昨日の会話が無駄にならなかったと思って、ホッとする。大人たちも気分だけの言葉で動いている人が多すぎる。自分も気を付けねばならないが……。

(12/16)

 

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比叡山より
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