詩:冬の朝の車窓
高層住宅の壁面に朝日が輝き、広がる冬の街を淡い黄色に染めていく
工場や施設、そして、大きな樹木、お寺、公園が見えたり隠れたりし
大きな川を渡り、運河のようなところも過ぎ、通勤電車が疾走していく
やはり「下町砂漠」なんかじゃなく、人が住み、働き、生きていく街だ
吊革につかまりながら、車窓の景色に、心がしなやかに反応するのが分かる
ずっと声を掛け続けることが、ほんとうの愛情だと、昨日Sさんから聞いた
いくら言って聞かせても、できず、やらずの知人にもう匙を投げそうになって
人間は、その性向や性格は変えられず、成長などできないものと思い掛けていた
でも、現実の現象に過ぎず、存在論にはなり得ないことと、Sさんは言うのだった
決してあきらめず、もう一度やっていけばいいのだ、という気持ちになるのだった