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「活字が読みたい!」


願い事を紙に書いて短冊にすれば、願いはかなう! そう聞いて、「願い事レッスン」を実施している。双子の姉妹とSNSで知り合い、わたしのことを知った神奈川の女性が、オンラインでの授業を申し込んでこられ、もう半年がたつ。その彼女にも、昨日やってもらったら、やっと5つ出た。①双子の姉妹に直接会いたい。②フワフワのかき氷を食べたい。③広い部屋に移りたい。④友だちが欲しい。⑤活字が読みたい。(とやっと出た。)

でも、毎回活字を読み、言葉について勉強しているのだから、(まあ、一方的にわたしがしゃべるばかりであるが……)⑤には少し意外に感じ、「なぜそう思うの?」と聞き返したら、「わたしは統合失調症で認知機能障害だと診断されています。だから、集中して本が読めないし、内容が把握しにくいのです。」と、わりとはっきり答えたので、余計に驚いた。医学的知識に欠けるわたしには、障害について語ることはできないが、むしろ「診断」が先で、「症状」は後なのではないかと思った。現に、「国語常識」の設問を一緒にやり、文章題にも取り組み、「声に出して読みたい日本語」を朗読して、時間はかかるけれどできないわけではないのだし、「祖母との関係が最悪なのです。」と、いつも口にすることも、どうやら一方的な思い込みのように聞こえるものだから。もちろんそういう「妄想」の強さが「統合失調症」の中心の症状のようだが。「あまり苦手意識にとらわれず、こうして一緒にやっていけばいいのですよ。」と答え、活字を読ませていることに、なにかチグハグ感があり、おかしかった。

「洗脳」でもそうだが、一度思い込んだら、言葉が体に染み込んだら、それを解消するのは容易ではない。別の強い輝きを持った言葉に出会うのもいいだろうが、わたしは、「対話」「会話」を続けることが一番ではないかと思っている。オープン・ダイアログという解除法もあるようだが、話し合いの機会を絶やさないことが一番だ。幸い彼女は、「来週もよろしくお願いします。」と言って、ズームを閉じた。(2022.8.7.)

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