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詩:立夏の雨


立夏の雨

 

朝からの雨だが、どこか明るく、濡れても苦にならない

立夏という言葉の響きが、心にうれしさを齎してくれる

一昨日、矢田寺でもらった山菜煮のタケノコがおいしい

何人もの知人に手紙を書き同行の誘いと呼び掛けをする

 

みんなそれぞれの苦労の中で、余裕と自由をなくしているのかも

先立つものはないし、いまの暮らしを維持するのが精一杯なのかも

世話と介護と育児と仕事と、ウイルスにまで追い立てられてばかりかも

高齢の独り身で蓄えもなければ、もう生きていけなさそうな気なのかも

 

それでもまた昔みたいに集い、話し合い、歌ったりして交流したい

同じような境遇だから、そのことには少しも触れず、わきに置いて

下手で音程も狂っているよと笑い、若いねと半分馬鹿にしたりして

なにもないけれどと、少しプレゼントをくれたら、渡せたら最高!

 

この雨の向こうに、そういう明るい機会が待っていそうな気もする

夏至までは昼の時間が長いのだから、十分に野山を歩けるだろうし

再び「表現の教室」をやり、「読書会」をやり、真面目に話せるかも

思いもよらぬ新しい仕事が舞い込み、驚くような再会もあるだろう

 

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