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“三然主義”実践


「自然を愛し、偶然を楽しみ、悠然と生きる」ことを“三然主義”というそうな。(昨夜の夕刊で知る。)昨日4月1日は、まさにそれを実践したような一日だった。コンサートの前に、北山植物園を双子の姉妹と共に散策する。桜は、散り始めながら、春の喜びを歌い続けているし、園芸種のチューリップは、背伸びして話しかけてくる。でも、わたしは、ラベンダーの青色や、白いさくらに心を奪われる。陽光とともに、幸せの味が体内に染みわたる。森蔭のツバキが各種各様に言い忘れたことを急いで伝えているのも良かった。もともと花が好きな姉妹は、もう走り回って写真を撮っている。まるで自分の飢えを癒すようにも思えて微笑ましかった。2時間、十分に自然を楽しむ。

そして、喫茶店で休もうと信号を渡っていると、向こうからYさんがやってくる! 以前はこの近くに事務所を持っておられたが、引っ越されたと聞いていたのでびっくりした。若い時から親交を得て、多くのことを教えてもらい、多くのことを一緒にやってきた大先輩なのだ。「あれ!これは奇遇!少し話したいですなあ。」とYさんも満面の笑顔。パーキンソン病で苦労していると聞くが、思った以上にお元気そうだ。コーヒーを伸びながら、夢中で近況を話す。Yさんは、自分が自分でいることを動的にとらえて生きる難しさを短いことばで語る。再会の喜びとともに、思いもかけず、英知に触れたことを感動する。

さらに、コンサート。「栄光への脱出、エクソダス」「愛という強い連帯」――はじめは大いなるものに導かれている心地よさに浸り、つぎに体内のすべてが研ぎ澄まされていくような感覚に身を任せる。「悠然」というには、あまりにも躍動的で意欲的な境地だったが、なぜか昔、早月尾根から剣岳の岩峰を望んだ時の光景が浮かび、荘厳な「三の窓」に思いをかけ、自分と自然の底知れぬ大きさを感じたことを思い出す。姉妹も、前回の時の緊張はなくなり、体全体のメンテナンスを受けたみたいだと喜ぶ。「きみたちが前回同様、自分で負担し、参加したことは大きいよ。きみたちも「脱出と連帯」の一員なんだから、悠然と構えていればいいのだ。ともに歩けることは楽しい!」と語る。

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