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「命の音すなり!」


もう仙台の会場に行く前からそれは始まっていた。空港アクセス線の快速電車の車内にトンボが入ってきて、わたしの胸に止まって動かない。まさかのことに向かいに座った人もびっくりして見つめるばかり。仙台平野の秋が胸にしみこんだような気がした。子どもが手を出したのでどこかへ飛んで行ってしまったけれど、なにかうれしい前兆だった。そして、仙台駅前を広瀬通に向って歩いていると、今度は大きな鼠がどこからともなく現われて、わたしの革靴に身を摺り寄せるようにして動かないのだ。そのかわいさに思わず抱いてやりたくなったが、その時横を通る女性が金切り声を挙げたので、どこかへ行ってしまった。生き物に近寄られる幸せを感じた。そして、待ちに待ったコンサート!テーマが「命」だったので感激した。”強い命”は「愛、動ける体、助け合う心」で育つというメッセージが胸に染み、どんな困難にも立ち向かえる豊かな可能性があることを受け取り、元気いっぱいの気分になれた。ありがとうございます。新幹線と夜行バスを乗り継ぎ、学校に出て、通常通りに授業したので、同僚に驚かれました。いえ、明日もまた早朝から山岳部の付き添いで山登りに出掛けます。さらに、朗報がありました。前立腺癌の疑いがあるので血液検査をしたのですが、結果は「正常」、医師は薬もいらないでしょうと、面白くなさそうに言うので、わたしは愉快で仕方なかったのです。
なお、秋田で活躍した石田露月の句に、「虫の音のやむとき露の音すなり」があることを、道中携えた知人の小説を読んでいて知ったのです。自然の音にも敏感でありたいもの!

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