枠を超えて

渋谷でのコンサートをありがとうござました。

第一部では、宇宙と思われる異次元の空間を経験するなど音に集中していましたが、途中で頭が作り上げた枠などにより胸が痛くなってきました。そして、頭の枠が音に先行している状態を体感しました。自分の意識が原因であることがわかりました。コンサートに臨む姿勢そのものが、自分の命からではなく、他者を意識した状態から出発していることに気づきました。そして、愛からはほど遠い状態にあると感じました。すると胸のあたり苦しさが解け同時にピアノの音が入ってきました。天上にゆらめく音の響きの美しさに身を委ねながら、全身が内側から心地良さに満たされていくのが分かりました。

第二部では、このような意識でつくられる頭の枠に限界を感じました。そして、枠を超えその先に進むべき新たな道があると感じました。一部で経験した枠が音に先行する体感を手掛かりに、音が先行するように集中して聴いていました。それは、どこか愛を希求してやまないという状態に近いと感じました。すると、そのような意識からも解放された体は、アンコールの演奏で水玉が弾けるような一音一音を捕らえ、音の連なりが全体として織りなす柔らかさと溶け合う経験をしました。

ありがとうございます。