宝物のような時間
数日前からの胸が締め付けられるような苦しさに、コロナの影響や経済の厳しさが身につまされる仙台コンサートへ向かっての経験でした。思いがけず、先月一緒に参加した方から直接申し込みをしたので会場で会いましょうとLINEをもらい、パンドラの箱のように残された希望を感じる救済の音を共に経験出来たこと、嬉しい時間となりました。
冒頭から地響きと共に下から湧き上がる蛇のようなものに絡まれ、身動き出来ないで窒息するような苦しさを感じました。天と地を繋ぐ場の透明感が淀んでいると抵抗値が高いからなのか体中が熱を帯びて脂汗が流れて苦しくなることが多く、抜け出し口を求めている多くの行き場のない想いを肌で感じる第一部でした。
第二部の心臓の音と表現されている旋律が始まる少し前に、ふっと体から何かが抜けていき楽になりました。そこからは体が水色の光とひとつに空間に溶け込んでいきました。内側から湧き出る泉のようなエネルギー流れ、抜ける風が清々しく、生命の声、高らかに生きている価値を響かせているように感じました。
先生のどこかでのお話の中にもありましたが、やはり先生の音に触れる機会があれば生きる希望が生まれると思うと、少しでも多くの人に届けたいと解放された心地よさの中で思いました。仙台のピアノの生まれ変わったように清らかに高らかに鳴り響く音に、人間も生まれ変わらないといけないと改めて思いました。宝物のような優しい時間をありがとうございました。