「あべのハルカス」
午前中、曇天で、むしろ蒸し暑かったのに、一雨あって、急に秋らしい好天になる。帰途の車窓、「あべのハルカス」が、その薄緑の側面を輝かせて、高く起立しているのが見え、孤独と自立と自負とを思ってしまう。
中間考査で、テストの採点をしていたら、(文法のところだけだったが)あまりにも出来が悪いので、落ち込み、暗澹たる気持ちに。なにか哀しくもある。あれほど口酸っぱく言い、一人一人に声掛けし、勉強しておくように言ったのに、まるで書けていない。間違いだらけ。空欄のままも多い。やはり、わたしの教え方が拙かったのだ。もっと厳しく言うべきだったのだ。このままでは、ひどい平均点になってしまうだろう。なにかわたしの失敗みたいに思えて、戸惑い、落ち込んでしまうのだ。
「先生、おれ欠点かも!」と、男子がわざわざ職員室まで来て、声を掛ける。「なんとか点数を上げてください。」と女子も言い寄ってくる。できていない奴ほど、そうなのだ。彼らも、自分のやってなさが気になるのか。しかし、今更どうしようもない。しかしまた、このままではだめだ。どうしたものか。
まるでイスラエルでの戦争を想うような、懸念と心配が胸に沸き立ってくる。やるせなさと無力感。しかし、なんとかしたいという意志と意欲を失わないでおこう。「あべのハルカス」の高さに望みを掛けよう!(10/10)