魂
雛祭りの日に 比叡山・御茶室で、例えようもなく素晴らしいお茶会の一席に座らせていただき ありがとうございました。待ち合わせで八坂の 高麗ギャラリーカフェの中庭に集った時から、全員着物で揃う姿は壮観で 気持ちが高揚していました。快晴の午後。御茶室の前で 薄桃色のマーブリング御着物を召された高麗さんにお会いし更に胸高鳴り、玄関口で いだきしん先生にご挨拶し、応接に並んだ書を拝見しました。「幼い頃の香り 草木 花 夕陽 未来に実現」。マーブリング和紙に書かれた「夕陽」の一文字に惹かれ手にした高麗さんの書は、この日 八坂から自分が感じたままの香りを伝えてくださっていました。小さい頃は 祖母も休日の祖父も、畳の居間でくつろぐ日常は着物姿でした。八坂で男性のお着物に祖父を見、女性に祖母の快活な様子を見て、ここから幼い時に居るような正しく香りに包まれるようであったのです。
二階 御茶室での高麗さんに淹れていただく橙色のコーヒーと麩菓子に心身とろけ、一人一人の未来を示してくださる即興の書に感動し 再び階下へ。御食事後に 今度は先生の淹れられた特別なコーヒーをいただき、そののちに御話しくださいました。いだきしん先生は 前日の迎賓館コンサートについて、後半 どんどん力強く弾かれていく中 そこにいる誰もピアノ音について来ていない、この会場にいる人は一人も やればやる程パワーアップしていく在り方を知らない。そのことに気付いたと仰り、衝撃を受けました。自分は本当に、今の今まで やればやる程 元気になる経験をしたことなどなかった。眠れないことくらいでぐずぐず言っている場合ではない と目が醒め、そのようにパワーアップしていく生き方をしたい、と心底望みました。何に向かっても元気で生きる人間が、これからの人の真の希望になる。先生と高麗さんにお会いして、常に実感していることです。
先生はまた、4/25 モスクワコンサートについても話され、モスクワでは 20分ごとにロシア語の言葉でテーマが先生に伝えられ、それを受け ピアノもパイプオルガンも弾かれる とのこと!そのような先生のコンサートは未だ 誰も経験したことがなく、プーシキンの詩の御話から伺った ’ 魂 ‘ を顕すロシア語の言葉と いだきしん先生の音との融合が実現するなんて…。初の試みをされるモスクワコンサートが 本当に待ち遠しいです。この日にどれだけ世界の魂が目覚め動き出すか。自分はモスクワ行きを決めて良かった と嘆息し、胸を撫で下ろしました。世界の往く末を決め 宇宙に影響する二度と無い経験。近い未来に賜われる幸運に感謝します。真にありがとうございます。
岩村ゆかり